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D熱ワクチン開発最終段階に=12州1万7千人に実用検査

 ジェラウド・アウキミンサンパウロ州知事(民主社会党・PSDB)は11日、サンパウロ市ブタンタン研究所(B研究所)で製造中のデング熱ワクチン(VD)は1度の接種で四つの型に効くと発表した。国家衛生監督庁も同日、B研究所にVD開発のための最終段階のテスト開始を認めたと12日付伯字各紙が報じた。
 同テストは12州1万7千人のボランティアの協力で行われる。協力者の3分の2にはワクチンを接種し、残りは偽ワクチンを接種。協力者は5年に渡って医療チームのケアを受け、少なくとも10回の問診と、28回の電話診断を受ける。
 VDは17年完成の見込みだが、まだ多くの不確定要素があるため、完成期日は設定されていない。最終段階の投資額は2億7千万レアルで、完成したVDを世界的に売り出すため、製薬会社との提携も模索する。B研究所のVD生産能力は年50万回分だが、製薬会社と提携すれば1200万回分に拡大する。
 サンパウロ州政府は、ジカウイルスに対するワクチンと診断用テストの開発にも取組む意向だ。
 B研究所からの最終検査開始要請は4月10日に出ていた。この時点では人体での安全性と効果を確認するための第2段階の検査が終わっていなかったが、サンパウロ州ではデング熱による死者のペースが加速した事もあり、最終検査の開始請求を急いだ。結局、第2段階の結果審査に8カ月かかり、最終検査実施許可は12月になってから出た。