そのユニークな名前ゆえに、ブラジル国内でも注目されていたイアゴ・ピカチュウ選手(23)が、来季から名門ヴァスコ・ダ・ガマでプレーすることになった。
子供の頃から日本のアニメが好きで、ピカチュウを愛するあまり、それを登録名にしてしまった同選手は、北東部はパラー州ベレンの生まれ。
北東部は強豪サッカー・チームに恵まれないところではあるが、地元の小さなクラブ・チームでサッカーを始めたピカチュウは、20歳になった2012年に、パラー一の強豪で北東部では屈指の強さのパイサンドゥに入団した。
パイサンドゥはブラジル選手権の2部と3部を行ったり来たりのチームで、それはピカチュウが加入してからも変わらなかった。だが、今季は2季ぶりとなる2部で健闘し、最終的に7位に終わったが、1部昇格圏内をうかがわせる時期もあるなどの活躍を見せた。
そこで活躍したのがピカチュウだった。守備位置は右のサイドバックながら、8得点に6アシストと、かなりの攻撃力をアピール。さらに、州選手権なども含め、2015年は56試合で20得点を挙げた。そうしたことから、早い段階から強豪チームが獲得希望との噂も流れ、名前のユニークさもあいまって、サッカー・メディアに登場する機会も増えていた。
そんな中、ピカチュウの来季のプレー先が決まった。そのチームはリオの名門ヴァスコ・ダ・ガマだ。ピカチュウは15日からリオ入りしており、16日朝には入団に向けての身体検査も受けたという。同チームのオーナー、エウリコ・ミランダ氏によると、契約は3年になるという。
ヴァスコはリオの名門チームのひとつで、かつては南米一にも輝いたこともあるが、今季は1部で18位と不振で、来季は2部降格が決まっている。ピカチュウにとっては1部昇格の夢は叶わなかったが、ヴァスコの再昇格に貢献することで、さらに次なるステップアップを目指したいところだ。
なお、名前の珍しさもあいまって、ブラジルの2部リーグの選手ながらも、ウィキペディアはポルトガル語のほかに、英語、そして日本語でも既に登録がある。(16日付グローボエスポルテ・サイトより)