米国連邦準備制度理事会(FRB)が16日、実質的なゼロ金利政策を止め、9年半ぶりに政策金利を引き上げる事を決めたと17日付伯字紙が報じた。
08年のリーマン・ショックとそれに続く世界的な金融危機で、景気が冷え込んだため、09年1月28日に年0~0・25%に引き下げたフェデラルファンド金利(短期金利の指標)を、年0・25~0・50%に引き上げたものだ。
FRBは16年末までには年1・375%まで引き上げる見込みだが、イエレン議長によると、引き上げは景気の動向を見ながら段階的に行う意向だという。
市場関係者の48%は次の利上げは3月と見ている。16日の決定を受け、ニューヨークではダウ・ジョーンズが1・28%上昇。17日以降、新興国を中心に、為替がドル高に傾くといった影響が予想されている。
FRBは段階的な利上げは新興国への投資が急激に引き上げられるのを防ぎ、より金利の高い新興国への投資継続を促すから、新興国を益すると見ているが、ブラジルの場合は経済基本金利(Selic)が既に高く、新たな利上げまでは今以上の投資呼び込みは困難だ。
更に、16日に格付会社のフィッチがブラジル債務の信用格付を投機級に引き下げた事もあり、外国投資の引き上げや国内投資家による米国国債購入などの形で資産流出が起きる可能性が他の新興国より強い。
また、米国の利上げで予想される、ドル高が進んで輸出が伸びる傾向についても、コモディティの国際価格下落などの外部要因と、政治危機や電気代値上がりといった内部要因で国内の企業の国際的な競争力が弱まった状態では、ドル高の利点を生かしきれないとの見方も強いようだ。
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