ミナス州裁判所が18日、11月5日に起きた同州マリアナ市のサマルコ社鉱滓ダムによる大損害をカバーするため、鉄鉱最大手のVale(V社)の資産凍結の仮処分を出して以来、2日目の営業日となった21日の株式市場でも、V社株は続落と22日付エスタード紙が報じた。優先株は6・53%、普通株は4・65%下落した。
V社はこの仮処分について正式な通知を受けていないとしているが、それが本当だったら提訴する意向を示している。V社はまた、資産凍結の仮処分は、同社の鉄鉱石生産や販売に何ら影響を与えていないとしている。
サマルコ社はV社と豪州企業のBHPビリトン社(BHP)が共同出資で開設した会社で、BHPも共に資産を凍結された。BHP社は採掘の権利も奪われた。
マルセロ・アギアル・マシャド判事によると、ダム決壊による社会的、環境的な損害は200億レアルに上ると見られ、サマルコ社の資産だけでは損害を補償するのには不充分なため、親会社の資産の凍結が必要だったとしている。
鉄鉱部門に詳しいマルセロ・リベイロ・リマ・フィーリョ弁護士は、この仮処分の実効性は少ないとし、「仮処分は実態以上に騒ぎを大きくするもの。鉄鉱会社が事故の責任逃れをしようとしている事実はないし、そのために資産を処分しようとしている事実もない」と語った。
株式投資コンサルタント会社、プランナー・コレトーラ社のルイス・カエターノ分析員は、鉄鉱各社の値下がりは、今回の資産凍結仮処分だけでなく、新財相にネルソン・バルボーザ氏が決まったことへの投資家の不満も影響しているとした。サンパウロ市証券取引所の平均株価指数(Ibovespa)は、21日も1・62%の下げを記録した。
V社は11月5日に起きた事故の前日の終値から今月21日までに、時価総額で252億レアル分の損失を出している。
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