議会が年内最終日を迎えた22日、エドゥアルド・クーニャ下院議長(民主運動党・PMDB)支持派議員たちは、下院倫理委員会が同議長の議席剥奪審議の継続を認めた投票結果を無効にすべく、下院憲政委員会にかけあったが、定数不足でかなわなかった。だが、クーニャ議長らは議会が再開する2月より前に、倫理委員会の決定を無効化する可能性もあると23日付伯字紙が報じている。
22日の憲政委員会では、ラヴァ・ジャット作戦での収賄疑惑と、その振込先と見られるスイスの秘密口座の存在を議会調査委員会(CPI)で偽証したクーニャ氏に対する議席剥奪審議継続の撤回を求める訴えが扱われるはずだった。
報告官役のエウマル・ナシメント下議(民主党・DEM)は、「倫理委員会の審議過程には問題があり、最高裁が無効にするのを避けるため、同委員会の決定を見直す必要がある」とした。
カルロス・マルン下議(民主運動党・PMDB)は、倫理委員会では「審議継続」という報告官の見解に疑問を呈し、報告書を検討する時間を要請した議員がいたのに、その要請を拒否し、十分に考える時間を与えなかったからとしている。実際には、審議継続の決定前、クーニャ議長は投票を7度も延期させている。
しかし、クーニャ派からの請求の審議は行われなかった。却下成立のためには、憲政委員66人中、過半数の34人以上の賛成を得る必要があるが、この日の出席者は13人で、委員会そのものが成立しなかった。
中には、その場にはいたものの、「クーニャ氏による操作を認めるわけにはいかない」として出席を登録しなかったマリア・ド・ロザーリオ下議(労働者党・PT)のような人もいた。クーニャ氏に反対する人々は、委員会流会は、下院議長の動員力低下の表れと見ている。
マルン下議は憲政委員会だけではなく、下院運営委員会にも倫理委員会の決定却下を要請している。同委員会はクーニャ派が掌握しており、最高裁の禁止命令にもかかわらず倫理委員会の報告官交代を強行したクーニャ派のヴァルジール・マラニョン下院副議長(進歩党・PP)が、議会再開前に独断で決定却下を決める可能性もある。
運営委員会または憲政委員会で倫理委員会の決定が覆えれば、倫理委員会は審議のやり直しとなる可能性があるが、議会再開は2月からなので、審議結果が出るのは3月となる可能性も高い。
ただ、連邦検察庁のロドリゴ・ジャノー長官は既に、「下院議長としての職権濫用」などを理由とするクーニャ氏の解任請求を最高裁に出している。その事由の中には、前述した倫理委員会での投票延期工作や、報告官交代も含まれている。
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