景気後退で失業率も上昇、所得低下も加わって消費者が買い控えなど、クリスマス商戦は振るわなかったブラジルだが、同商戦で売れ残った品など、在庫一掃のバーゲンに期待する人達が早々と列をなしている。最大70%の割引などを売り物にするバーゲンは近年、クリスマス商戦以上に人気が出ている。
小売店の中には、2日から「大安売り」の看板を掲げたりしているところもあるが、恒例となった大型小売店のバーゲンを待つ人達は、店の前に椅子を並べ、泊り込みで列をなしている。
サンパウロ州内陸部フランカ市中央部の大型小売店は、全国16州に780の店舗を構え、8日にバーゲンを行うが、靴職人のマルシオノネ・デ・ソウザ・ブエノさん(21)らは、2日夜から列を作り始めた。
ブエノさんは5年前から、マガジネ・ルイザの在庫一掃バーゲンを利用している。冷蔵庫やベッド、洋服ダンス、鍋におもちゃなど、遅ればせながらのクリスマスプレゼント購入と、家具などの入れ替えを一気に行うために用意した金は2500レアル。普段ならこの金額では到底揃わない品も、このバーゲンでなら揃うという。
列を離れるのは、バスで40分かかるという自宅に戻ってシャワーを浴びる時だけ。椅子と共に持ち込んだマットレスで仮眠をとり、奥さんと交代で1番目の席を保持しながら、8日早朝の開店を待っている。
列を作って待つ内に周りの人と仲良くなるのも副産物で、「9時頃に横になるけど、3日から4日にかけては明け方の4時半までドミノをやっていたよ。待ち遠しくて、皆、のんびりと寝てなんかいられないんだよね」というブエノさんは、列待ち仲間の代表だ。
ブエノさんの隣に椅子を置いてバーゲンを待っているルシアナ・クリスチーナ・シウヴァ・サントスさん(37)は美容師で、仕事で使う電化製品やベッド、電話と携帯電話、タブレットを買いたがっている。「携帯電話はあっという間になくなるから、少しでも早く店に入れるよう、2日から来ているの」というルシアナさんの横では、弟のブリアン・エドゥアルドさん(23)が目配せしつつ、「それだけの価値はあるさ。姉さんが席を外す時は僕が順番を守るんだ」と頷いた。(5日付G1サイトより)