ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | ピニェイロLJ被告=携帯メールから疑惑続出=現官房長官と選挙取引?=ハダジのためのロビー活動も=PB現総裁とは汚職協力か

ピニェイロLJ被告=携帯メールから疑惑続出=現官房長官と選挙取引?=ハダジのためのロビー活動も=PB現総裁とは汚職協力か

 ラヴァ・ジャット作戦(LJ)で既に16年の実刑判決を受けている建設大手OAS社元社長のレオ・ピニェイロ被告が交わした携帯電話のメッセージの中に、ジャッケス・ヴァギネル官房長官(労働者党・PT)やフェルナンド・ハダジサンパウロ市市長(PT)、ペトロブラスのアウデミール・ベンジーネ総裁の名が出ており、捜査陣が犯罪への関与を疑っていると、7日付エスタード紙が報じている。

 ピニェイロ氏は14年11月に逮捕され、翌15年8月に贈賄、資金洗浄、犯罪計画の罪で16年4カ月の実刑判決を受けている。連邦検察庁は15年、同氏を含むOASの役員が、ペトロブラストの事業に絡み、2004~14年にカルテルを形成していた容疑などで起訴していた。
 ピニェイロ氏の携帯電話の情報はブラジリアとパラナ州の連邦地裁が共有しているが、2012年8月から14年10月に交わされたメッセージの中から、これまでLJの捜査対象になっていなかった3人の人物に関する疑惑が浮上した。
 そのひとりは、ヴァギネル官房長官だ。同氏の名はOAS内部の人物とのやりとりの中で隠語で表れ、バイア州知事時代の12年にネウソン・ペレグリーノ氏(PT)のサルバドール市長選を支援した際、ピニェイロ氏に対する資金援助などを求めていたことがうかがわれる。
 この会話が交わされたのは一次投票の後だが、その後、3位だったマリオ・ケルテス氏(民主運動党・PMDB)が党の意向に反し、対立候補のACMネット氏(現市長)ではなく、ペレグリーノ氏を支持。その後に離党までしているが、ケルテス氏に対するペレグリーノ氏支持と引き換えの贈賄を匂わす言及がピニェイロ氏の文中に見られている。
 ハダジサンパウロ市市長の名前は、2013年に行われたエドゥアルド・クーニャ下議(現・議長)との会話で現れた。クーニャ氏は当時、市や州の負債の返済延期を認める法案の報告官をつとめていたが、ピニェイロ氏はこの法案を通させるためのロビー活動をしていたと思われる。ハダジ氏が両者の会話に加わることはなかったが、同氏の名はクーニャ、ピニェイロ両氏の文面に頻繁に登場している。
 また、ベンジーネ氏の名前も、2012年から14年にかけてのOAS役員やクーニャ氏との会話の中で登場している。ベンジーネ氏は当時、ブラジル銀行総裁だったが、同銀行は14年10月に5億レアル分のOAS社の社債を購入している。検察庁は、ベンジーネ氏が不正なものであることを知りつつ、社債購入に関与したとにらんでいる。14年8月にはピニェイロ氏と同氏の秘書との間で、ベンジーネ氏が(会話の内容がばれないよう)固定電話で連絡を取りたがっているとの文書が交わされている。