2015年の貯蓄預金(ポウパンサ)預金総額は6566億レで、1995年に中銀が収支発表を開始して以来、初めて前年を下回ったと8日付エスタード紙が報じた。
95年~14年のポウパンサの預金総額は常に前年度を上回っており、14年は総額6627億レに達したが、15年は景気後退に伴う失業率増加や高インフレ、ドル高レアル安も相まって、ポウパンサの引き出し額が預け入れ額を536億レ上回った。この事は2005年以来10年ぶりの出来事だ。
ただ、05年は引き出し超過分以上の利息がつき、預金総額は増大したが、昨年は、利息の474億レを加えても、総額が前年比61億レ(0・93%)減少した。同預金の総額が前年度を下回ったのは初めてだ。
これは、ドルが1年で48・5%も上昇した事や、経済基本金利(Selic)が14・25%に達して投資ファンドが有利となり、ポウパンサが投資先としての魅力を失った事が主な要因だ。
また、ブラジル経済の低迷により、一般労働者が投資に割ける資金が少なくなった事や、日々の生活費のためにポウパンサを取り崩している事も影響している。
ポウパンサの資金は、不動産購入の際の融資にあてられていため、不動産業界は、資金源の減少に不満を募らせている。
この状況を打開するため、中銀は15年5月、各銀行に対し、住居関連や農業関連の融資に利用するために中銀に納めさせていた供託金の内、225億レを不動産関係の融資に使う事を認めた。