【既報関連】今年最初の証券取引開始日だった4日、工業生産の低下が発表された事に伴う中国株式市場の大幅下落は、ブラジルを含む世界中の証券市場に大きく影響を及ぼした。世界同時株安は米国、日本、欧州にも波及し、ブラジルでも、4日のサンパウロ市証券取引所指数(Ibovespa)が2・6%下落、米ドルも1ドル4レアルを超えた。
4日付BBCブラジルサイトによれば、これは昨年12月まで10カ月連続で成長率が下がった中国経済に対する投資家達の不安の表れと見られている。
1月4日は中国市場で株価指数が7%以上下落したらその日の取引を打ち切る「サーキットブレーカー制度」が導入された初日で、予定より1時間半早く取引を停止した。8日付伯字紙によれば、7日は同制度が取引開始後30分足らずで作動し、終日取引が停止された。8日からは同制度は停止される。
国際通貨基金によれば、中国の今年の経済成長率は、過去20年以上で最低の6・3%と予想されている。
中国経済の減速は世界経済全体にマイナスの影響をもたらす。ブラジルも当然、その影響を受ける。対中輸出が鈍れば、同国への原料輸出に依存していたブラジルや新興国の企業にとってはまさに「赤信号」、危険なサインだ。
この危機を敏感に察知した投資家達が新興国への投資を引き上げたので、各国の現地通貨は下落傾向にある。
投資会社のグラドゥアル・インヴェスティメント社チーフエコノミストのアンドレ・ペルフェイト氏によると「ブラジル市場は他の新興国より規模が大きく、国外投資家に対して開かれているため、中国ショックの影響は一層大きい」という。
また、投資会社ペンタゴノ・アセット社戦略研究員のマルセロ・リベイロ氏のように、「ブラジル経済にとっての本当の危機は、中国元の引き下げが起きたときだ。中国元の価値は今後半減する可能性もあり、そうなれば新興国通貨も道連れだ。その場合のレアル安や国外債務拡大、ブラジル企業の不渡りがどの程度まで行くか、想像も付かない」と警告する専門家もいる。
なお、中国市場の変動や国際的なコモディティ価格下落でブラジルの株式市場も連日大幅に下落しており、Valeなどが深刻な影響を受けている。
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