ラヴァ・ジャット作戦で既に実刑判決を受けている建設大手OASの元社長、レオ・ピニェイロ被告の携帯メールの内容で、ジャッケス・ヴァギネル官房長官(労働者党・PT)はじめ、多くの政治家に多岐にわたる疑惑が生じ、新たな捜査開始に繋がる可能性が出ている。8日付伯字紙が報じている。
ピニェイロ被告の携帯メールの内容はパラナ州の連邦警察と連邦検察が解析したもので、昨年末に連邦検察庁のジャノー長官の元に送られた。同長官はこれを基に新しい捜査対象者のリストを作成しており、来週にも、最高裁に捜査開始の許可を求める可能性大だ。
問題の携帯メールの中にヴァギネル官房長官やフェルナンド・ハダジサンパウロ市市長(PT)、ペトロブラス総裁のアウデミール・ベンジーネ氏の名前が出てきたことは昨日付本紙でも触れた。同被告の携帯メールに関する報告書は600頁を超え、20人以上の政治家の名前が登場するという。
特に問題視されているのはヴァギネル長官だ。同長官はバイア州知事時代の12年のサルバドール市長選での裏工作が疑われているほか、14年にピニェイロ被告から、13年に結んだ契約に基づき、OASに4170万レアルを支払うよう、運輸相に取り合ってくれないか、とのメールを受けていた。それに対しヴァギネル氏は「了解。やっておきます」と返信している。
ピニェイロ被告は、OAS関係者と交わした文書で、ルーラ前大統領の11~14年の南米旅行にも言及している。OASがスポンサーとなって行われた旅行先はチリやエクアドル、ウルグアイなどで、ルーラ氏はこれらの地で講演会も行っている。同被告はルーラ氏のことを「ブラーマ」と呼ぶ仲で、講演先の国で獲得できた事業に関し、ルーラ氏の助力があったなどと語っている。
また、クーニャ氏に関しても新たな疑惑が向けられている。それはOAの社債を公的銀行や勤続期間保障基金(FGTS)に不正に購入させている、というものだ。FGTSはOASの社債を2億5千万レアルで購買しており、ピニェイロ被告は13年5月のメールの中で、「わが友EC(クーニャ)が支払うよう取り合ってくれた」と書いている。
さらに、連邦貯蓄銀行員年金ファンド(FUNCEF)による社債購買には、LJで実刑判決を受けた元PT中央会計のジョアン・ヴァカリ被告が絡んでいると見られている。
ピニェイロス氏のメールには、ジウマ政権で政局調整役をつとめるエジーニョ・シウヴァ社会通信局長官(PT)や、レナン・カリェイロス上院議長、前下院議長のエンリケ・アウヴェス観光相、元鉱山動力相のエジソン・ロボン上議(3人ともPMDB)などの名も、登場している。
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