ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | ラヴァ・ジャット=OAS絡みで新たな疑惑=官房長官にまた癒着説=バイア州の建設事業に関し=前福祉相もロビー活動?
新たな疑惑が浮上したヴァギネル官房長官(Valter Campanato/Agência Brasil)
新たな疑惑が浮上したヴァギネル官房長官(Valter Campanato/Agência Brasil)

ラヴァ・ジャット=OAS絡みで新たな疑惑=官房長官にまた癒着説=バイア州の建設事業に関し=前福祉相もロビー活動?

 【既報関連】ラヴァ・ジャット作戦(LJ)の新たな火種として注目されているレオ・ピニェイロ被告の企業、建設大手OASに関し、ジャケス・ヴァギネル官房長官(労働者党・PT)に関する新たな疑惑や、ジウマ政権時の閣僚に絡む新たな疑惑が浮上している。14日付伯字紙が報じている。

 ヴァギネル官房長官の名前は、LJで押収されたピニェイロ被告の携帯電話のメッセージの中に「わが親友JW」などの表現で登場し、同長官が絡んだ贈収賄工作の存在が疑われる内容が指摘されていたが、新たな疑惑が浮上している。
 14日付フォーリャ紙が報じた新たな疑惑は、同長官がバイア州知事だった14年1月に、同州都市開発局長に元OAS理事のマヌエル・リベイロ・フィーリョ氏が就任し、その2カ月後に、OASが幹線道「リーニャ・ヴェルメーリャ」の建設を5億8400万レアルで落札した件だ。
 OASはヴァギネル氏が州知事の時はじまった「5大建築事業」の内、リーニャ・ヴェルメーリャと、サッカーW杯で使用したフォンテ・ノヴァ・アリーナ、高速道「バイア・デ・トードス・オス・サントス」の三つを落札している。
 ヴァギネル氏は、ネルソン・ペレグリーノ下議(PT)を支援した12年の州都サルヴァドール市長選で、85万レアルの献金をOASに要請したとの言及がピニェイロ被告の携帯メールに残っていた。この金は、決選投票時に、一次投票で3位だった候補からペレグリーノ氏への支持を取り付けるために使われた疑惑がある。
 一方、エスタード紙では、ピニェイロ被告が12年から14年に、ジウマ政権の前社会福祉相のカルロス・ガバス氏(PT)と不審な携帯メールのやりとりを行っていたと報じられている。
 それによると、ガバス氏はブラジリアでのBRTスル鉄道建設に関し、OAS社に便宜をはかるべくロビー活動をしていたという。ガバス氏は、ルーラ政権時の08年に福祉相を代行、10年3月から11年1月1日までは福祉相もつとめた。このメールの時点では福祉省の副大臣にあたる役職についていた。
 中でも14年10月27日のピニェイロ氏からのメールでは、BRTスル鉄道に関し、OASグループの理事のひとりが作成した、連邦直轄区政府に連邦貯蓄銀行(CAIXA)からの融資も含めた事業計画の承認を求めたと伝えるメッセージが転送されており、ガバス氏が「了解、こっちは任せろ」と答えている。
 ガバス氏はジウマ第2期政権で福祉相に返り咲いたが、15年10月の再編で福祉省が労務省に吸収されたため、現在は労務福祉省の福祉局長をつとめている。