15日付エスタード・デ・サンパウロ紙が、スポーツ面トップで、2020年東京五輪招致レースで票の買収が行われていた疑いがあると大々的に報じた。
記事によると、世界アンチドーピング機関(Wada)の第三者委員会が14日、20年の東京五輪招致で買収があったと書かれた報告書を発表したという。
同報告書では、東京のライバル候補だったイスタンブール(トルコ)は、当時の国際陸上競技連盟(IAAF)会長のラミーネ・ディアク氏の息子で、同競技連盟のコンサルタントのハリル・ディアク氏に500万ドルの供託金を払わなかったため、IAAFの票を失ったとしている。
Wadaは、ラミーネ氏の息子のハリル氏やパパ氏がスポンサーや陸上選手達と交わした会話から、トルコが拒否した支払いを日本は受け入れたことが読み取れたとし、IAAFへの供託金の支払いが日本が開催国に選ばれた要因の一つとなったとみている。
東京は決選投票でイスタンブールを60対36で降し、1964年以来、56年ぶり2度目の開催地として選ばれた。
Wadaは、ロシア人選手のドーピング疑惑を調査する過程でこの情報にたどり着いたとしている。
ディック・ポウンドWada委員長は、Wadaの優先事項はドーピング疑惑の追及であるため、日本サイドからの支払いや、ハリル・ディアク氏が行っていた疑いのある収賄については深く追求しなかったと説明すると同時に、国際刑事警察機構(インターポール)とフランス検察庁は同件を追跡中だと断言した。フランス検察庁は既に、IAAF幹部の通話や銀行口座の動きについての情報開示の許可を得ており、メールの内容などを捜査中だ。
エスタード紙は、現在のIAAFのスポンサー7社中、4社は日本企業(キャノン、セイコー、TDK、トヨタ)で、IAAFがこれら4社のスポンサー契約と引き換えに、日本支持に回った可能性があると推論している。(1月15日付エスタード紙より)
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