ホーム | ビジネスニュース | 対イラン貿易3倍増狙う=制裁解除後の関係強化求め=旧来の親イ路線アピール
アルマンド・モンテイロ商工開発相(Marcello Casal Jr./Agencia Brasil)
アルマンド・モンテイロ商工開発相(Marcello Casal Jr./Agencia Brasil)

対イラン貿易3倍増狙う=制裁解除後の関係強化求め=旧来の親イ路線アピール

 16日に発表された米国とEUの対イラン制裁解除を受けて、ブラジル政府は今後5年以内に、イランとの貿易額を3倍にする見通しを持っていると19日付フォーリャ紙が報じた。
 15年の伯イ両国間貿易総額は16億7千万ドルだった。この額は、経済制裁が課される前年の11年の23億7千万ドル(内98・5%は輸出)より、3割減少している。
 アルマンド・モンテイロ商工開発相は「5年を目処に対イラン貿易総額を3倍にできると思う」と語った。
 同相は昨年10月、ブラジル企業33社の代表らと共に、8千万人の人口を抱える巨大市場である〃イラン詣で〃を行っており、今年の3月もしくは4月には、ブラジリアで両国の経済関係主要閣僚同士の初回会合が持たれると見られている。
 政府や輸出業者は、ブラジルがイランとの友好関係を保ってきた事がイラン市場進出の一助になると見ている。ジョゼ・アウグスト・デ・カストロブラジル貿易協会会長は「ブラジルは経済制裁後も、イランに厳しい措置を取る国々とは一線を画してきた。その事が対イ輸出の回復に有利に働くだろう」と述べた。
 外務省対外商業投資促進部部長のロドリゴ・アゼレード氏によると、「制裁期間中もブラジルはイランとの友好関係を保ってきた。この事を踏まえて、貿易再開時には便宜を図ってほしい」というメッセージは、10月の〃イラン詣で〃の間も強調されたという。
 制裁期間中の対イ輸出には、決済の面で困難が付きまとった。イランの銀行との取引を米国、EUに見つかって罰を受ける事を懸念し、第3国を経由して決済を行っていたのだ。アントニオ・カマルデッリブラジル食肉輸出協会会長は「以前のようなイラン貿易の黄金時代をぜひとも取り戻そう」と意欲を見せる。
 食肉、とうもろこし、大豆は今日の対イラン輸出の98%を占めており、専門家筋は、この3品目が引き続き対イ輸出を牽引すると見ている。カマルデッリ氏は、イランは年内にブラジル産食肉の輸入国トップ5に戻るとさえ予想している。