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マクリ=マルビナス問題で穏便姿勢=反クリスチーナ路線の現れ

 アルゼンチンのマウリシオ・マクリ大統領は21日、英国のデヴィッド・キャメロン首相と会談を行う際、マルビナス諸島に関し、前任のクリスチーナ大統領とは異なる路線を取ることで対英関係を変える意向だと、21日付エスタード紙が報じている。
 マクリ氏は大統領選キャンペーンで「英国との関係の正常化」を説いていたが、その中心となるのはマルビナス諸島の存在だ。同島はアルゼンチンの近海にあるが、1833年から英国が支配しており、1982年のマルビナス戦争では英国が勝利していた。
 クリスチーナ氏は同島奪還を強く希望し、強硬な姿勢で英国との関係を悪化させていた。マクリ氏は同件について「協議は続けたい」としながらも、クリスチーナ氏とは対照的に抑えた対話で臨んだ。この方針はマクリ氏の反クリスチーナ路線の現れでもある。
 同大統領は既に、50ペソ紙幣からマルビナス諸島、100ペソ紙幣からは、前政権もその流れを組むペロニズム(ペロン主義)の祖、フアン・ペロン元大統領夫人のエヴィータ氏の肖像を外すと発表し、物議を醸している。
 また、15年1月にクリスチーナ前大統領の捜査を求めたアルベルト・ニスマン検察官が謎の死を遂げた事件の真相解明に向けた再捜査を進めることも明言している。