米国航空宇宙局(Nasa)と海洋大気局(Noaa)が20日、2015年の全世界の平均気温は14・8度で、1880年の観測開始以来、最高だったと発表と21日付伯字紙が報じた。
1901~2010年の平均気温は13・9度で、15年の平均気温は0・9度も高い。この気温は1951~80年の平均と比べても0・87度高くなっている。
平均気温上昇の主要因は、太平洋の赤道付近で発生した強力なエルニーニや温室効果ガス排出、森林伐採、市街化だ。温室効果ガス排出に伴う地球温暖化は数十年来のもので、エルニーニョの影響がなくても気温上昇は不可避だったという。
15年は2年連続での平均気温の記録更新で、この傾向は今後も続く。14年の気温上昇は前年比0・04度だったが、15年は0・13度上がり、専門家を驚かせた。平均気温上位16年は、1998年と2001年以降の15年だ。
昨年12月の気候変動枠組み条約締約国会議では、今世紀末までの平均気温上昇を2度未満、出来れば1・5度までに抑える事で合意が成立したが、Nasa関係者らは15年の時点でほぼ1度上昇しており、1・5度に達するのも時間の問題と見ている。19世紀末の20年間の平均気温との比較では既に1度以上上昇しているという。
今年は平均気温の再上昇と、昨年もインドや欧州を襲った熱波の再来、南米などでの集中豪雨などが予測されている。
エルニーニョの影響はブラジルでも顕著で、昨年末から南伯、中西伯などで雨の被害が続出。20日付G1サイトによれば、パラナ、ミナス、南麻、聖の4州では少なくとも116の橋が損壊、高速道の冠水や路肩陥没なども多発している。広域洪水が続く南麻州では学校の授業開始が遅れ、魚の養殖などに甚大な被害も出ている。エルニーニョに伴う異常天候が原因の干ばつや農地冠水、輸送網寸断といった影響は他州にも広がっている。
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