20日、原油の国際価格がさらに暴落し、国際的に株式市場を下落させたと、21日付伯字各紙が報じた。
イランへの経済制裁が解かれたことによる供給増、中国経済停滞による需要減の二つの見通しから、20日のニューヨーク原油市場は6・71%安の1バレル=26・55ドルを、ロンドン市場は3・06%ダウンの1バレル=27・88ドルを記録した。その影響で世界の主要株式市場は軒並み下落した。
ブラジル市場もこの動向と無縁ではなかった。主要貿易相手国である中国経済の低迷に加え、経済基本金利(Selic)の見通しが不透明だった事(その後、中銀が据え置きと決定、20日付本紙参照)から、20日のサンパウロ市証券取引所指数(Ibovespa)は1・08%下落し、09年3月9日以来の低水準となる3万7645・48ポイントで取引を終えた。
ペトロブラス社(PB)が再び大きな下げを記録し、議決権付きの通常株が3・56%マイナスの5・93レで、議決権無しの優先株が4・94%マイナスの4・43レアルで取引を終えた。通常株は今月に入り30・81%、優先株も33・88%それぞれ下落している。
レアル相場も影響を受け、1%安の1ドル=4・0998レアルでひけた。この値は昨年9月23日に記録した対レアル、ドル最高値の1ドル=4・135レアルに次ぐ値だ。
「19日のトンビニ中銀総裁による(Selic据え置き示唆)発言はもちろん効いたが、基本的にドル高レアル安は対外要因によるところが大きい。原油価格が落ち、より安全な資産へ移す動きが高まっている」と証券会社H.Commcor DTVMオペレーターのクレーベル・アレッシィ・マシャド氏は語る。(但し、Selic据え置き後の21日はドル高がさらに進み、一時、1ドル=4・173レアルに達した)
20日の世界の株価は原油安に引っ張られる形で下落、ロンドンとパリ市場は3%、フランクフルトは2・82%、上海市場は1%、米国市場は1・56%、それぞれ下がった。