25日はサンパウロ創立462周年だったが、同日付アゴラ紙は、サンパウロ市出身者で市外、あるいは他州へ引っ越した元市民に、「サンパウロの何を恋しく感じるか」を聞いてみた。
それによると、目立った答えは「24時間眠らない町」であることと、「食の豊かさ」だった。
サンパウロは世界でも有数なほどナイトライフに恵まれた町で、それは雑誌「ナショナル・ジェオグラフィック」が同市を、「世界を代表するナイトタウン」の第4位に選んだほどだ。
また、サンパウロは、2万軒のバーと1万5千軒のレストランがあるほどの食の街だ。料理人の腕前も評判がよく、世界ランキングで上位に入るレストランも少なくない。
そんなサンパウロの食生活で、元市民がもっともなつかしさを感じるものとしてアゴラ紙があげたのが、「ポン・ナ・シャッパ」「パステル」「ピザ」「モルタデーラ・サンドイッチ」の四つだ。いずれもサンパウロ市民にとっては、「日常的」と言っていいほど浸透しているものだ。
ポン・ナ・シャッパは、パターを塗ったフランス・パンを熱した鉄板に押し付けて平たくつぶしたもので、ホット・コーヒーと共に、バーやパダリアの朝食で食べるのが定番だ。
パステルは、サンパウロの日本移民が持ち込んだ文化とされているもので、小麦粉で作った皮に肉やチーズ、野菜など、好みのものをのせ、長方形に折りたたんで揚げたものだ。
イタリア移民の多いサンパウロでは、イタリア料理としておなじみのピザも市民にとって不可欠な食べ物だ。統計によると、本場イタリア一国より、サンパウロ市の方が消費量が多いというデータもあるほどだ。
四つ目のモルタデーラ・サンドイッチは、その名の通り、モルタデーラのハムをはさんだサンドイッチだ。サンパウロ地下鉄1号線サンベント駅からほど近い市営市場(メルカドン)には、このモルタデーラ・サンドイッチで非常に有名な店があり、街の名物となっている。何重にも重なったモルタデーラで厚みの出たサンドイッチは、これひとつで満腹になる人もいるほど、ボリュームがある一品だ。(25日付アゴラ紙より)