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鉱滓ダム決壊=事故の予兆は14年に?=ドッセ川の水質改善されず

 15年11月5日に起きたミナス州マリアナ市の鉱滓ダム決壊事故に関し、ダムの企画、監査者が14年に警告を発していた事を明らかにしたがサマルコ社はそれを否定していると27日付エスタード紙が報じた。
 ミナス州検察局で供述を行ったのは、決壊したフンドンダムと補強工事中のジェルマノダムの企画と監査を担当したジョアキン・ピメンタ・デ・アヴィラ氏だ。
 同氏によると、フンドンダムに設置されていた水圧計のデータを14年12月に確認したところ、同ダムの強度に不安がある事が判り、サマルコ社に補強が必要だと警告したという。
 また、パウロ・ゴンチジョ技師が署名して州環境局に提出した同年の年次報告書は、亀裂補強など11項目の改善点を指摘した上で、正常に機能しているとの評価を下している。同報告書は同年8月21日に行われた監査を基に作成された。
 これに対しサマルコ社は、「アヴィラ氏がダム決壊の危険性について警告した事はない」とし、「14年9月に行った監査の時、改善命令に関して同社がとった措置も見たはずだが、警告めいた事は何も言わなかった」と発言。水圧計のデータは、ダム全域が正常に機能していた事を示していたとも強調した。
 一方、SOSマッタ・アトランチカ基金が行ったドッセ川の水質調査によると、同川の流域650キロで水や泥のサンプルを採取したところ、29カ所中16カ所は、通常の基準を30~1290倍も上回るほど濁りが酷く、安全とされる基準以上の量の重金属が検出されるなどで「最悪」と判断された。
 調査員達は、事故以前から川の水質は落ちていたが、鉱滓流入で水質が急速に悪化した事は自明の理とし、川底に溜まった鉱滓の深さは40センチ程度から3メートルに至り、最近のような強い雨をもってしても鉱滓は押し流せずにいる事も明らかにした。