不況とドル高の影響で、15年のブラジルの経常収支の赤字幅は、14年の1040億ドルから589億4200万ドルに43%減少したとブラジル中銀(BC)が26日に発表したと26日付アジェンシア・ブラジルや27日付伯字紙が報じた。
ブラジル企業や個人による国外のモノやサービスの購入はドル高レアル安で控えられる一方、国外企業や個人によるブラジルのモノやサービスの購入は増えた。
商品やサービスの購入販売や、多国籍企業が国内で挙げた収益の本国送金、国外就労者からの送金などを総計した収支の赤字額はおよそ589億ドルで、これは同年の国内総生産(GDP)の3・32%にあたる。
この数値はBCが想定していた、GDPの3・48%、620億ドルの赤字との数字より低いものとなった。
経常収支の内、外国事業の利益や配当、利息の支払い、給与の支払いなどを総計した所得収支は、諸項目の中で最大の423億5700万ドルの赤字を計上した。
国外旅行、交通費、宿泊費、保険、通信費などを総計したサービス収支も369億7800万ドルの赤字を計上した。
外国への出稼ぎによる報酬の受け取りおよび投資利益の総計である経常移転収支は272万4千ドルの黒字だった。
経常収支の赤字減らしに一番の貢献したのは貿易収支で、輸出総額から輸入総額を引いた額は176億7千万ドルの黒字だった。
経常収支が赤字を記録した場合、赤字幅を国外からの直接投資(IDP)か融資で埋め合わせる必要がある。生産部門に投入されるIDPは、長期間にわたって行われる傾向があるため、赤字の埋め合わせはIDPの方が望ましい。
15年のIDPは、BC予測の660億ドルを上回る750億7500万ドルで、589億ドルの赤字を埋め合わせるのに充分な額だった。14年のIDPは968億9500万ドルと、15年より多かったが、経常収支の赤字幅も1040億7600万ドルと昨年より大きかったため、14年の赤字はIDPでは埋められなかった。
IDPが経常収支の赤字額を上回るのは、741億ドルの赤字に対して866億ドルのIDPが入ってきた12年以来、3年ぶりの事だった。
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