第22次LJ=前大統領に迫る包囲網=三層高級アパートを捜査=「ルーラ起訴を視野に」=ヴァカリが賄賂譲渡に利用か
連邦警察による第22次ラヴァ・ジャット作戦が27日に行なわれ、サンパウロ州海岸部グアルジャー市のソラリス地区にあるコンドミニオ(アパート)の一群などが捜査対象となり、少なくとも3人が逮捕された。労働者党(PT)の元中央会計ジョアン・ヴァカリ・ネット被告が、これを資金洗浄や賄賂譲渡のために利用した可能性があると27日付伯字紙が一斉に報じている。フォーリャ紙22日付電子版は「検察官はルーラ起訴を視野に」との見出しで、今回捜査された高級アパートにある前大統領夫人のマリーザ氏が購入していた疑惑の物件について報じていた。
疑惑の高級アパート「ソラリス」は現在、LJでの不正に強く絡んでいるOAS社の所有だが、元々は経営破たんした不動産企業バンコープから09年に買い取ったもの。ヴァカリ被告は元バンコープ社長で、同社は2002~04年にPTから不正な恩恵を受けていたことが発覚しスキャンダルとなった企業として知られている。
2014年12月29日付インフォマネー電子版によれば、《ルーラは06年の選挙時の財産申請で、4万7700レアルでバンコープから不動産を取得したと申請しているが、地元不動産関係者は150万レアルの価値のある物件とフォーリャ紙が報道した》と三層高級アパートについて伝えていた。
今回の捜査対象になった高級三層アパートもグアルジャーに所在し、所有名義人のネウシ・バルケン容疑者が27日逮捕された。いみじくも今回のLJの作戦名は「3X(トリプル・エックス)」だ。
27日付ヴェージャ電子版によれば、彼女は広告代理業者で、同物件は「モサック・フォンセカ」というオフショア(税金優遇地区での分散蓄財など)を手がける会社と深く関係がある。
同フォンセカ社は資金洗浄で悪名が高い企業で、このオフショア取引が、ペトロブラスのサービス部のレナト・ドゥケ被告やパウロ・バルスコ被告の元に渡っていると連警は疑っている。
27日付フォーリャ紙電子版によれば、捜査されたこの三層高級アパートには、OASが70万レアルの改修費用をかけており、実際にルーラ本人と妻が視察に訪れ、利用するばかりの様子であったとの建設技師や管理人らの証言が報道されている。すでにラヴァ・ジャット作戦で逮捕されたレオ・ピニェイロOAS社長(当時)がわざわざ案内に同行していたときもあった。
22日フォーリャ紙などでサンパウロ州サンパウロ州検察局のパウロ・カシオ・コンセリノ検事は《ルーラ元大統領を起訴するに十分な証拠が集まった》と語っている。