下院の倫理委員会が12月15日に決定したエドゥアルド・クーニャ下院議長(民主運動党・PMDB)の議席剥奪の審議継続に関し、クーニャ派が牛耳る下院議長団が2日、この決定を振り出しに戻すよう指示したと3日付伯字紙が報じている。
クーニャ議長は、ラヴァ・ジャット作戦で賄賂の受け取りに使われたと思われるスイスの秘密口座の存在が発覚した昨年10月以降、同問題での議会調査委員会(CPI)で虚偽の発言をしたとして、倫理委員会で議席剥奪を含む形で責任を問われ、12月15日に11対9で「審議継続」が決まっていた。
だが、カルロス・マルン下議(PMDB)が「新しい報告官の報告を見直す機会が与えられなかった」と不服を訴えたため、ヴァルジール・マラニョン副議長(進歩党・PP)が2日、カルロス・アラウージョ倫理委員長(社会民主党・PSD)に「審議継続」との報告官の報告内容の見直しを命じた。
これにより、倫理委員会は再度集まり、報告書の読み上げを行わねばならなくなった。クーニャ派がここで報告書の内容の見直しを求めれば、審議を継続するか否かの投票を再度やり直すことになる。
マラニョン副議長は昨年12月22日に審議の差し戻しを命じようと決めていたが、アラウージョ委員長に伝えられたのは2日だ。同委員長は副議長の意図を尊重するとしながらも、「倫理委員会にもかけずに議長団の議題とした上、議会休止期間をはさんで40日も遅れて意向を伝えてきた」と苦言を呈した。
マラニョン副議長はクーニャ派の一人で、ラヴァ・ジャットでも捜査を受けている。
同議長が同委員会において、クーニャ議長に有利な展開を試みたのははじめてではない。同氏は12月、この件で報告官をつとめていたファウスト・ピナト下議(ブラジル共和党・PRB)が、報告前に「審議継続」を求める意向と漏らしたことを受け、強硬に報告官役交代を命じた。このため、報告官はマルコス・ロジェリオ下議(民主労働党・PDT)に代わったが、同氏も「審議継続」を支持していた。
これを受け、かねてからクーニャ議長の罷免を強く求めていた社会主義自由党(PSOL)は2日、同議長に新たに生じた国外の秘密口座五つの所有疑惑を罷免請求に付け加えた。ロジェリオ下議は、審議継続の理由に新たな疑惑を加えるか否かも含め、対応を検討するとの意向を表明した。
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