現在、ルーラ前大統領(労働者党・PT)との関係が問題視されているサンパウロ州アチバイアの大別荘の購入手続きは、ルーラ氏が絡む家屋の購入に常に関与していた、親友で弁護士のロベルト・テイシェイラ氏が行っていたと、5日付伯字紙が報じている。
17万3千平米に及ぶ別荘は、ラヴァ・ジャット作戦(LJ)に関与したOASやオデブレヒトといった企業が改修工事を行っており、ルーラ氏がLJに関与していた可能性が疑われている。
また、持ち主名義がルーラ氏でもないにも関わらず、大統領の任期を終えたルーラ氏が家財の一部を同地に移したことも疑問視されている。
エスタード紙によると、この別荘は2010年10月29日、ルーラ氏の長男ルリーニャことファビオ・ルイス・ルーラ氏が経営する二つの企業各社のソーシオ(共同経営者)であるフェルナンド・ビタル氏とジョナス・スアスーナ氏が、前者50万、後者100万の計150万レアルで購入した。購入手続きはサンパウロ市ジャルジンスにあるテイシェイラ氏の事務所で行われた。
テイシェイラ氏は80年代後半からルーラ氏と交友関係があり、三男のルイス・クラウジオ氏が結婚した時は証人も務めた人物だ。同氏はこれまでも、ルーラ氏の住宅事情をとりまとめ、疑惑を持たれている。
同氏が話題となったのは1989年、大統領選に初出馬したルーラ氏に家を貸した時だ。また、ルーラ氏が96~01年に大サンパウロ市圏サンベルナルド・カンポに3軒の物件を購入した時は、自分が弁護士を務めていた倒産状態の企業の物件を推奨し、購入を手伝った。
3軒の内の1軒は現在ルーラ氏が住んでいる2層住宅(アパート)だ。このアパートは91年に没収されるはずだった、建設企業ダルミロ社の所有地に建てられた。没収直前の3300平米の土地を救ったのは時のPT市長で、その土地の一部を95年に当時のPT副党首のルイス・エドゥアルド・グリーンハル氏が買い取った。ルーラ氏は96年、ダルミロ社がその土地に建設中だったアパートを購入した。
家屋購入までの動きに不正があると見たサンパウロ州検察局は、98年に捜査を始めたが、2003年にルーラ氏が大統領に、グリーンハル氏が下院議員に就任したことで最高裁の管轄となり、05年に連邦検察庁が捜査打ち切りを要請した。
ルーラ氏は、2層住宅購入までテイシェイラ氏が同市内に所有しているアパートに住んでいた。また、ルーラの三男のルイス・クラウジオ氏が住んでいるアパートもテイシェイラ氏の持ち物だ。
検察庁は、測量技師のクラウジオ・ベナッチ氏が10年12月18日に緊急で、2011年1月20日よりアチバイアの別荘で働き始めるという契約をテイシェイラ氏と交わしたことも疑問視しており、来週供述を行うよう、同氏を召喚した。