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サンジョゼ=鉱滓用の池の堤防決壊=7割の家庭が断水被害に

 ミナス州マリアナで起きたサマルコ社の鉱滓ダム決壊事故から丁度3カ月後の5日(金)、サンパウロ州パライバ渓谷で鉱滓池の堤防が決壊し、サンジョゼ・ドス・カンポス市では7割の家庭で断水が起きたと7日付エスタード紙などが報じた。
 ジャカレイー市に本社があるロランド・コメルシオ・デ・アレイア社が南パライバ川から砂を採取する際出る汚泥を、休業中の他社の鉱滓池に投じていたものが、堤防決壊で川に流れ込んだのは5日朝。同社はこの鉱滓池の使用許可は受けておらず、不法操業だった。
 大量の砂や汚泥混じりの水流入で川の水が急激に濁ったため、サンパウロ州水道公社は5日夜、サンジョゼ市への給水を停止。約7割の市民(50万人)は断水となったが、残りの市民には井戸から汲み上げた水が供給された。
 鉱滓池の堤防の修復工事は6日に行われたが、汚泥はトレメンベーやタウバテ、ピンダモニャンガバにも到達した。汚泥の影響を緩和するため、サンパウロ州水道公社はサンタブランカの貯水ダム放水量を増やし、ジャカレイー市役所は同社に1万1千レアルの罰金を科した。
 なお、南パライバ川は汚泥流入で水が濁ったものの、魚の大量死などは起きなかった。サンパウロ州水道公社はサンジョゼなどに給水するための取水業務を6日に再開、7日には全業務が正常化した。
 他方、15年11月5日の鉱滓ダム決壊から3カ月となる5日、ミナス州市警がベロ・オリゾンテ市とマリアナ市のサマルコ社の事務所を捜索、コンピューター等を押収した。同州市警は今月15日に発表する予定の捜査報告書で、この事故が死亡確認済みの17人と行方不明の2人の生命を奪ったと結論付ける予定だが、罪状を殺人罪とするか、業務上過失致死とするかは定かではない。
 決壊したフンドンダムは申告されていた量の3倍の鉱滓が投入されていたとされ、サマルコ社と共に鉱滓を投入していたVale社の責任も問われている。