ブラジル保健省が10日、ジカ熱による国内3人目の死者が確認されたと発表、発症までは健康とされていた青年の死は世界保健機構(WHO)にも報告されたと11日付伯字紙が報じた。
北大河州在住で15年4月11日にナタル市の病院に入院した20歳男性は、重篤なデング熱と診断され、12日後に死亡したが、デング熱は陰性だったため、エヴァンドロ・シャガス研究所が再検査した結果、ジカ熱ウイルスが検出された。
ジカ熱による最初の死者は、15年11月27日に同研究所が発表したマラニョン州在住の男性で、自己免疫疾患のルプス(全身性エリテマトーデス)を患っていたため、ジカ熱が重篤化したとされていた。
2件目は15年10月末に死亡したパラー州在住の16歳少女で、9月29日に発症、10月6日にジカ熱と確認されたが、発症前は健康上の問題はなかったという。
3人目の死者が健康な青年だった事は、80%は無自覚で、危険度はデング熱などより低いとされてきたジカ熱が、従来の認識以上に危険な病気である事を示している。
デング熱は小頭症やギラン・バレー症候群の患者急増の原因とされているが、小頭症を起こしていなくても、視覚や聴覚に問題がある例も確認されており、専門家が、他の感染症罹患歴なども含む因果関係を調査中だ。
サンパウロ州でジカ熱の域内感染が確認されたのはサンジョゼ・ド・リオ・プレット、スマレー、ピラシカバの3市のみだが、8、9日付エスタード紙によると、リベイロン・プレット市ではジカ熱感染が疑われる患者は妊婦140人を含む800人おり、内陸部の小頭症児誕生数も増加中だ。オズワルド・クルス研究所のロドリゴ・スタビレ副所長は、ジカ熱はデング熱の5倍の速度で拡大していると警告している。
11日付フォーリャ紙によると、サンパウロ市の1月のデング熱患者発生数は昨年同月より40%増えており、ネッタイシマカ対策強化が叫ばれている。