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LJ=PT選挙参謀に疑惑=オデブレヒトから裏金受領?=14年ジウマ再選年に高騰=O社の国際事業先の選挙でも

 連邦警察はラヴァ・ジャット作戦(LJ)の一環として、オデブレヒトが労働者党(PT)の選挙参謀であるジョアン・サンターナ氏の国外口座に送金を行っていたか否かの調査を進めている。12日付伯字紙が報じている。

 サンターナ氏への疑惑は、連警がシンガポールの造船業者ケッペル・フェルズのロビイストをつとめるズウィ・スコーニキ氏の自宅で、サンターナ氏の妻で共同経営者のモニカ・モウラ氏の手紙を見つけたことで生じた。
 ヴェージャ誌によると、モニカ氏はその手紙で、サンターナ氏が米国と英国に持っている国外口座に送金するよう指示していたという。
 連警はこの手紙をきっかけに、オデブレヒト社がサンターナ氏が国外に所有する銀行口座に送金を行ったか否か、また、その送金はどういった性質のものかを捜査することを決め、昨年11月にパラナ州連邦地裁に捜査開始の許可を申請した。
 サンターナ氏は、02年のデウシジオ・アマラル氏の上議選以来、PT候補の選挙参謀を務めており、ルーラ氏が再選を狙った06年以降の大統領選では常に、選挙参謀の要となっていた。選挙高等裁判所の資料によると、サンターナ氏は02年以降、ジウマ大統領が初当選した10年は5680万レアル、再選をかけた14年は8890万レアルなど、計2億2900万レアルの報酬を受け取っている。同氏は現在も、大統領府の広報顧問的存在だ。
 連警の疑惑の一つは、14年の選挙で、正式に申告された額以外の金の動きがあったか否かで、オデブレヒトからの送金が確認されれば、選挙の裏金だったことになる。
 14年の選挙に関しては現在、民主社会党(PSDB)のアエシオ・ネーヴェス上議がジウマ大統領とミシェル・テメル副大統領が違反行為を行ったとして選挙高裁に訴えている最中だ。PSDBは、下院で進められる大統領罷免審議よりもこちらに優先順位を置いており、動向が注目されている。選挙高裁への弁明期限は18日で、10日にはテメル副大統領が釈明書を提出、ジウマ大統領も期日までに弁明を行う予定だ。
 サンターナ氏はPT以外にも、中南米やアフリカの大統領選で左翼候補のキャンペーンの仕事を請け負っている。14年には、パナマ大統領選でジョゼ・ドミンゴス氏の選挙参謀を務めたが、同国はオデブレヒトが積極的に事業を進めている国のひとつだ。
 12年には、やはりオデブレヒトが事業を展開しているドミニカとアンゴラで、ダニーロ・メディーナ氏とジョゼ・エドゥアルド・サントス氏の大統領選を手伝った。サンターナ氏は既に、同氏経営の企業2社が12年にアンゴラからブラジルに1600万米ドルを持ち込んだのは「PTに便宜を図るための資金洗浄」との疑惑をかけられ、15年5月以降、連警の捜査対象となっている。