「クリネックス」などの商標で知られる、衛生用品等の専門メーカー、キンバリー・クラーク社が今年、ブラジルに4億レアルを投じ、新しい機械の購入や工場の拡大などを図る予定だ。施設拡大を計画しているのは、既存の工場五つと配送センター二つだ。
同社では、100万ドル(3960万レアル)を投じ、サンパウロに開発センターを建設する計画も持っている。同社は米国と韓国にも同様の施設を擁している。
この開発センターは2012年にコロンビアに開設されたが、ブラジル国内の発展が目覚しい事から、移転する事になった。サンパウロのセンター開業は4月に予定されている。
ブラジル・キンバリー社長のセルジオ・クルス氏によれば、ブラジルでの開発センター開設は近年の業績の動向を見て決めたもので、「ブラジルでの発展は安定しており、現在は文句なしでラテン・アメリカ一の市場となっている」という。
ブラジルに進出したのは20年前で、ここ12年間の業績の伸びは常に2桁台だ。現在の従業員数は4千人、15年の年商は40億レアルで、前年比14%成長した。
ブラジル国内にある工場は、バイア州カマサリ市、サンタカタリーナ州コレイア・ピント市、サンパウロ州スザノ市とモジ・ダス・クルーゼス市、リオ・グランデ・ド・スル州エルドラード・ド・スル市の5カ所で、設備の充実などに4億レアルが投じられる。
16年の場合も、全国で家庭消費が落ち込んでいる事を認めつつ、「衛生用品は必需品だから、不況になっても売上げが極端に落ちる事はない。我が社は常に各所得層に応じた製品を提供してきた」とし、昨年比10%以上の業績の伸びを見込んでいる。新しく開設する開発センターでは、高齢者向けの介護用品などの開発も手がける。
クルス氏はブラジルについても、「経済危機の只中にはあるが、長期的に見れば大きく成長できる要素を持った国」と評価している。(12日付フォーリャ紙より)