【既報関連】ジウマ大統領は現在、ブラジルはおろか世界規模の問題になっている、ジカ熱、デング熱を媒介するネッタイシマ蚊の繁殖源となっている建物や土地の所有者に連邦政府の名で罰金を科す事を検討していると16日付伯字紙が報じた。
一方、デング熱が猛威をふるい、ジカウイルスの脅威が叫ばれる中、連邦政府と多くの州での伝染病監視部門の予算はむしろ減っている。
16日付フォーリャ紙の調べでは、連邦政府だけでなく、17の州と連邦連邦区で伝染病部門への予算が削減された。州によっては、14年から15年にかけての伝染病監視部門の予算が86%減ったところもある。
ジャッケス・ワギネル官房長官によると、ジウマ大統領は連邦総弁護庁(AGU)に、蚊の繁殖の元凶となったことが証明された建物の所有者に罰金を科すことへの法的整合性の有無を調査するよう依頼したという。罰金が合法的と判断され次第、大統領は暫定令を発令する意向だ。
ワギネル官房長官は、この罰金の主な標的は、放置された不動産(土地や住居、倉庫など)と、蚊の繁殖状況と抑制対策を監視する職員が入ることを住民が拒否した閉鎖家屋だと述べた。
ワギネル長官は、政府は州や市に対しても、同様の物件に対して罰金を科すように働きかけていくとし、「荒地であろうと廃屋であろうと、蚊の繁殖を放置するという無責任な行為には罰金を科していく」と語った。
ジウマ大統領は2月1日、治安部門の関係者や保健医療部門の職員に対して、放置されたり閉ざされたりしている私有地に入る権利を付与する暫定令を出している。
保健省は12年、廃屋や放置された土地の所有者へ罰金を科すよう各自治体に促す省令を出していた。これを基に、サンパウロ市やリオ市は捨て置かれた私有地に職員が入ることができる条例を定めた。
13日に軍も動員し、全国規模で行われた「ジカ・ゼロ運動」では、29万5千もの捨て置かれた私有地、家屋が確認されている。
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