政府の経済政策チームは、今年の基礎的財政収支の黒字目標を国内総生産(GDP)の1%(610億レアル相当)の赤字さえ許容する、〃柔軟な〃ものにする可能性を検討していると17日付エスタード紙が報じた。
現行の黒字目標は政府財政がGDPの0・38%で、自治体、州政府を含む公共セクター全体では0・5%だ。
しかし達成見通しが日ごとに悪くなっている事から、政府は、インフレ目標に幅を持たせているのと同様、一定の幅を持ち、より柔軟な財政目標(meta flexivel、以下MF)を打ち出そうとしている。
ネルソン・バルボーザ財相、ヴァウジール・シモン企画相、ジャッケス・ワグネル官房長官からなる経済三部会は、まだMFの上限、下限を決定していない。
16年財政目標をMFにする事は、15年末に今のポストに就いたバルボーザ財相の目指す財政改革の最初の一歩だ。
アジェンシア・エスタードによると、MFの設定は、伯企業や個人が国外に所有するが無申告の資産に課税するヘパトリアソン(210億レ相当)、政府資産の売却益(300億レ相当)、金融取引暫定納付金(CPMF・100億レ相当)の復活の三つが不確定なために行われる。
経済スタッフ関係筋は「目標に幅があるからといってそのギリギリを目指すわけではない。見込み歳入を全て現実のものとすることは可能だ」と語った。
この議論はまだ端緒に就いたばかりだ。目標値にも、MF値にも、ジウマ大統領の検討が加えられる。政府はここ数年繰り返している、財政目標達成が困難になり、年末になって財政目標変更法案を立案、承認のゴタゴタを避けたい意向だ。
同時に政府は歳出を抑える措置も準備している。MF設定で万事安泰とするのではなく、公的債務の拡大を押さえる努力継続は必至だ。
MFや歳出抑制案は、政府が17年度連邦予算基本法(LDO)を議会に提出する4月までに固まっている必要がある。
与党内にも反発がある事から、バルボーザ財相が中国に出かける前(19日)に歳出削減案を発表できるかは不透明だ。