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LSペルソンの企画続々=60年代ブラジル映画の異端児

 1976年に39歳の若さで亡くなった映画監督、ルイス・セルジオ・ペルソンの特集がサンパウロ市のイタウ文化センターで、同監督の没後40周年、生誕80周年を記念して行われる。
 ペルソンと言えば、1965年の「サンパウロ、ソシエダーデ・アノーニマ(SA、株式会社の意味)」が特に有名だ。この作品は国内の批評家が昨年作成した「ブラジル映画の100作」で7位に入るほど有名で、当時から異端の存在だった。
 60年代のブラジル映画界は「シネマ・ノーヴォ」と呼ばれる前衛映画の影響力が強く、グラウベル・ロシャなどが活躍したが、ペルソンはロシャの一派とは一線を画し、独自の路線を築き上げてきた。
 初期の作品はイタリアの40~50年代の「ネオ・レアリズモ」の影響が強かったが、作風は多彩で、66年には当時の若者に熱狂的な人気だったアイドル・ブーム、ジョーヴェム・グアルダを題材に「SSS・コントラ・ジョーヴェム・グアルダ」を製作し、72年にはお色気路線の「ケイシー・ジョーンズ」も話題となった。
 また、企画は結局流れたものの、68年頃にはハリウッドの問題児として恐れられた名優マーロン・ブランドを主演とする映画を製作しようとしたこともある。
 ペルソンは76年1月7日、サンパウロ市内で自動車事故により39歳の短い生涯を閉じた。だが、その当時まだ幼かった2人の娘、長女マリナはテレビ司会者、次女ドミンガスは映画評論家として知られるようになった。また、2007年にはペルソンの生涯に迫るドキュメンタリー映画も作成された。
 今回のペルソンの特集は、その2人の娘と未亡人のレジーナさんによるものだ。イタウ文化センターでは今月20日から4月3日まで、ペルソンの貴重な遺品を紹介する展示会を開催。20、21の両日ならびに3月29日と4月1日は、劇作でもあったペルソンの作品から三つの劇の上演も行われる。
 また、4月2日と3日にはペルソンの残した名作の上映が行われる。2日には、「ブラジル映画100」の66位に入った「オ・カーゾ・ドス・イルモンス・ナーヴェス(ナーヴェス兄弟の場合)」など、3日には前述の「サンパウロ、SA」や「ケイシー・ジョーンズ」が上映される。詳細はhttp://www1.folha.uol.com.br/ilustrada/2016/02/1740212-mostra-curada-por-viuva-e-filhas-revela-facetas-obscuras-de-luiz-sergio-person.shtmlなどで。(17日付フォーリャ紙より)