リオデジャネイロ州のオズワルド・クルス研究所調査員が、ブラジル北東部のパライバ州の妊婦から検出されたジカ熱のウイルスは、フランス領ポリネシアで発見されたウイルスと同型で、既にワクチンがある日本脳炎のウイルスと似ていると発表した。
パライバ州でジカ熱に感染後、胎児が小頭症と診断された妊婦2人の羊水からジカウイルスが検出された事は、ジカ熱感染と小頭症との関係をより明確に物語る。
妊婦達は各々、妊娠10週目と18週目にジカ熱に感染したが、28週目になって胎児が小頭症である事が確認されたため、羊水を採って検査してみたところ、ジカ熱のウイルスが大量に検出された。
羊水の検査ではジカ熱のウイルス以外のウイルスやバクテリアの存在も確認できるが、ジカ熱感染から2カ月も経ってからですら、生きたウイルスが大量にみつかった。
オズワルド・クルス研究所のアナ・ビスポ研究員によると、胎児が小頭症である事は妊婦達が28週目に受けた超音波検査で判明したが、それまでは、全ての経過が順調だったという。
妊婦達の羊水から検出されたジカ熱のウイルスは、アフリカで発見されたジカ熱のウイルスとは型が違い、2013年にフランス領ポリネシアで発見されたウイルスと同型と判断された。
同研究所での調査によると、今回発見されたジカ熱のウイルスは、(いとことされる)デング熱ウイルスよりも黄熱病ウイルスに似ているが、それ以上に、小頭症も起こしうる日本脳炎ウイルスと似ているという。日本脳炎は既にワクチンがあり、同研究所ではさらに研究を進める意向だ。
少なくとも一つのウイルスの型が判明した事は、ジカ熱の研究に新たな方向性を与える可能性がある。今回の発見は同研究所とリオデジャネイロ連邦大学、パライバ州ジョアキン・アモリン・ネット博士研究所の共同研究の結果として、国際的な感染症の専門誌である「ザ・ランセット」に掲載された。(18日付G1サイトより)