8月5日開幕のリオ五輪まであと半年を切った。そのリオ五輪で初めて正式種目となる男女7人制ラグビーで、日本は男女共に出場権を獲得している。20、21日にサンパウロ州バルエリ市で開催されるHSBCワールドシリーズ第2戦サンパウロ大会に参加する日本女子7人制ラグビー代表(愛称〃サクラセブンズ〃)のゲームキャプテンを務める冨田真紀子選手(24・千葉)が胸中を明かした。
五輪出場決定後の12月、1月の合宿でも選手達がその過酷さから合宿地名を取って、〃勝浦ショック〃と呼ぶほどの過酷なトレーニングで走りこんできた。「厳しいトレーニングを積んできた結果、チームとしても個人としてもパフォーマンスがどれだけだせるか楽しみ」と語る。
サクラセブンズの特徴は練習量に裏付けられたスタミナ、走力だ。一人一人が多くの局面に顔を出す事で、数的優位を作り出すことが狙いだ。
記憶に新しい、昨年の男子15人制ラグビーのW杯イングランド大会での大躍進と、それに続くラグビーブームにも、浮ついた様子は全く見せない。「今のラグビーブームは男子15人制の力によるところが大きい。サクラセブンズは五輪出場権は取れたが、これに慢心しないで今後の連戦でランキングを上げて五輪に臨みたい。今スポットライトを浴びているが、これをさらに大きな物に出来るか、自分達の活躍次第で、ラグビー界の将来が変わってくる」と冷静に見ている。
さらに「今の自分達があるのも、スポンサーもつかない時代から自費で遠征費を出してやってきた先輩達のおかげ。この〃たすき〃を必ず次の世代にもつないでいかなくてはいけない。この思いは代表選手一人一人が持っているはず」と語る冨田の顔は真剣だ。
なじみの薄い7人制ラグビーの魅力を問うと「(15人制と同じ広さのフィールドを7人でカバーするため)展開のスピーディーさが7人制の面白いところ。ラグビーを知らない人にも楽しみやすい。今は日本のランキングは世界9位だけど、15人制よりも番狂わせも起きやすく〃イチかバチか〃の勝負に勝って上位を目指せるのが7人制の特徴」と語った。
7人制ラグビーは7分ハーフ、前後半あわせて14分で行われる。体力の回復も早く、1日に12チームが順番に何度も試合をする。
大会初日の20日、サクラセブンズは、イングランド(11時)、フランス(14時6分)、ブラジル(16時50分)と対戦する。ブラジル代表キャプテンは日系人パウラ・イシバシだ。彼女についても「試合を離れれば、とてもフレンドリーな方、国際大会ではしょっちゅう対戦しているし、イシバシさんはキープレーヤー。気を引き締めて戦いたい」と語る。
21日の最終日は初日の成績次第でトーナメントの組み合わせが決まり、トーナメントの成績で最終順位が決まる。
試合会場はバルエリ市のアレーナ・バルエリ(Avenida Prefeito João Vila-Lobos Quero, 1001 – Jardim Belval、Barueri)で、入場料は保存可能食料1キロと引き換え。
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サクラセブンズのキャプテン冨田は15人制で最後尾のフルバックを務めるが、7人制では最前線のプロップだ。このギャップをラグビーになじみのない人に説明しようとすると「サッカーの本田がゴールキーパー」「野球のイチローがキャッチャー」だろうか。7人制がいかにオールラウンドさ(万能性)を求められる種目かという事の証明になっている。サンパウロ市より車で西に1時間、1試合14分で決着がつき、短い時間で全ての参加チームが見られる。サクラセブンズと、ブラジル代表キャプテンのパウラ・イシバシの応援に足を運んでは?
◎
冨田は、ラグビー選手以外に、フジテレビ社員の顔も持つ。「年間200日くらい合宿しているのであまり出社できなくて申し訳ない」と語る。五輪出場決定後は「仕事に来ていて大丈夫?」と職場の同僚、先輩に心配されているとか。サクラセブンズの選手にラグビー専業は少ない。「この遠征が終わったらすぐ出社。出勤前に走って、仕事が終わってもトレーニング。あまりゆっくり出来る時間がない。代表合宿のほうがゆっくり出来る時間があるくらい」と笑う。くれぐれも蚊対策は厳重に。
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