ホーム | ビジネスニュース | 支出削減は234億レ=600億レの赤字を覚悟=最賃の凍結含む上限案も
支出削減案を発表するバルボーザ財相(左)とシモン企画相(Marcelo Camargo/Agência Brasil)
支出削減案を発表するバルボーザ財相(左)とシモン企画相(Marcelo Camargo/Agência Brasil)

支出削減は234億レ=600億レの赤字を覚悟=最賃の凍結含む上限案も

 連邦政府が19日、今年度は234億レアルの支出削減を図るが、それでも基礎的財政収支は600億レの赤字となる可能性がある事と、年度毎に支出上限を決め、超過しそうな時は最低賃金の凍結を含む3段階の支出抑制策を提案する意向である事を発表したと20日付伯字紙が報じた。
 26、27日に上海で開かれるG20財相・中銀総裁会議を前に、諸外国からの批判の種を取り除くために発表された支出削減目標額は、経済活性化計画(PAC)で42億レ、議員割当金で81億レ、各省庁の経費で110億レの計234億800万レだ。経費削減が大きい省庁は、鉱山動力省31億5千万レ、保健省25億3千万レ、教育省13億レなどで、ヴァウジル・シモン企画相はジカ熱対策費は削減の対象外と強調した。
 ネルソン・バルボーザ財相は、今年の国内総生産(GDP)の成長予想をマイナス1・9%からマイナス2・9%に下方修正し、基礎的財政収支の黒字目標に幅を持たせる必要があると訴えた。
 今年の税収と資産売却益は、当初見込みを305億レと417億レ下回ると見られ、前年度までに実施されたが未払いの事業費90億レと保健衛生関連で30億レの支出増もあるため、基礎的財政収支は最大602億レの赤字が見込まれる。
 バルボーザ財相は、基礎的財政収支がGDPの1%程度の赤字となるとの見通しについて、「年末になって今年は赤字になると言うより、年度の始めから赤字が出る事を覚悟している事を明らかにしておいた方がよい」とした上、1%以上の赤字回避の手段として、先に挙げた支出削減と、裁判で命じられたが本人達が受け取ってないために公的銀行に眠っている賠償金などを基金とし、請求時はそこから払い出すという案を発表した。
 また、公的財政に大穴が開くのを防ぐため、年度毎に支出上限を定め、それを超えそうな時は3段階の支出抑制策をとるという案を議会に提案する予定だ。支出抑制の最初は、新たな減免税を避け、通常経費の増加抑制と共に支出を削減、公務員の新規採用や実質給与の増額見送りという形をとる。第2段階は補助や通常経費の増加抑制と不急の支出のカット、公務員給与の調整見送り、第3段階は公務員の手当てカット、非常勤の公務員の経費削減、最低賃金凍結となっている。
 新たに提案された支出上限案は議会の承認が必要だが、議員割当金の削減なども盛り込んだ支出削減案は、議会からの反発も予想されている。