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ドッセ川での漁は禁止=鉱滓ダム決壊で不安残り

 連邦検察庁の要請を受け、エスピリトサント州連邦裁判所が22日からドッセ川河口での漁を禁ずる暫定令を出したと22日付アジェンシア・ブラジルが報じた。暫定令が影響するのはアラクルスとリニャーレスの2市で、調査のための捕獲以外の漁は禁止された。
 連邦検察庁によると、15年11月5日に起きたミナス州マリアナ市のサマルコ社の鉱滓ダム決壊後、ドッセ川に流れ込んだ大量の汚泥による汚染状況に関する具体的な調査結果はまだ出ておらず、魚や貝などの安全性が保証出来ないため、無期限で禁漁とするよう要請したという。
 ドッセ川流域や河口付近での実態調査は継続して行われているが、健康被害の有無など、安全性を保証してくれるような科学的なデータや、水中の動植物絶滅の可能性に関する最終報告はまだ出ていないという。
 禁漁が守られているか否かの監視は、国立再生可能天然資源・環境院(Ibama)や生物多様性保全のためのシコ・メンデス研究所(ICMBio)、同州の環境研究所(Iema)の3機関によって行われる。検察側は監視費用をサマルコ社に負担させるよう主張したが、裁判所は同社は環境監視・管理税(TCFA)を支払ったとしてそれを拒否した。検察は上告する意向だ。
 サマルコ社と検察庁の間では15年12月、ドッセ川流域で漁をしていたがダム決壊で仕事が出来なくなった漁師達に6月まで毎月、最低賃金(扶養家族が居れば1人20%を加算)と基礎食料品セット(セスタ・バジカ)を支給する事で合意が成立している。
 22日にはミナス州の裁判所でも、サマルコ社と同社支配会社のVale、BHPビリングトン両社の資産5億レアルの差し押さえ命令が出た。これらの資産は、ダム決壊で甚大な被害が出たミナス州バラ・ロンガ市の市街地修復費を補償するために使われる。