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エドゥアルド・パエス リオ市長(Paula Johas/Prefeitura do RJ)
エドゥアルド・パエス リオ市長(Paula Johas/Prefeitura do RJ)

リオ五輪=地下鉄延伸工事に黄信号?=市長が「間に合わないかも」と弱気のメール

 リオデジャネイロ市長のエドゥアルド・パエス氏(PMDB・民主運動党)が19日、国際オリンピック委員会(IOC)に、地下鉄4号線の建設が8月のオリンピック開催時までに完了しない可能性があることを警告した。
 建設中の4号線は、同市南部、イパネマ地区のゼネラル・オゾーリオから、オリンピック公園が開設される同市西部バーラ・ダ・チジュッカ地区のジャルジン・オセアニコを結ぶものだ。
 同市長は19日にIOCに送ったメールに「地下鉄建設計画が危機に瀕していると何人かから聞いた」と記し、さらに、ラファエル・ピッシアーニ同市交通局長は間に合わなかった場合の代替案を持っているとも書いている。
 その代替案とは、BRTと呼ばれる高速バス路線を一時的に拡大する事だ。
 リオ州の財政は石油会社からのロイヤリティー徴収額が大幅に下がっていることなどで危機に瀕しており、州政府が担当する工事完工のための社会経済開発銀行(BNDES)からの追加財政融資が滞っている事を同市長は懸念している。
 地下鉄工事は7月までに完成させなければならないが、そのために必要な資金は13億レアルとされている。
 メールの中でパエス市長は、22日からリオに滞在する、IOC輸送交通部門チーフコンサルタント、フィリップ・ボビー氏との会談を希望していた。
 「我々は五輪開催に際して、あらゆる状況のための緊急時対応策を考えている。地下鉄工事の遅延対応策は1年前から検討済みで、我々はIOCに現状で取りうる策を説明するつもりだ。地下鉄工事は常に多くのリスクを伴うプロジェクトだ」とパエス市長は言った。
 市長はまた、「IOCはかなり前から、地下鉄工事が間に合わない場合の代替案の内容を知りたがっていた」とし、「フェルナンド・ペゾン州知事は工事完成に自信を持っているが、注意を払うに越した事はない」と語った。
 リオ州政府は、地下鉄工事はスケジュール通り進んでおり、7月までに引き渡せると述べた。リオ五輪組織委員会は、パエス市長の心配を知っていたが、工事期限は守られると見ている。4号線はリオ五輪輸送部門の生命線と考えられている。(20日付オ・グローボ紙より)