ミナス州市警は23日、昨年11月5日にマリアナ市で起きたサマルコ(S)社の鉱滓ダム決壊の責任を問い、リカルド・ヴェスコーヴィS社元社長、クレーベル・テッラ元運営部長以下4人のS社元幹部と、ダム管理業務を請け負っていたVogBR社のエンジニア1人を逮捕(期間を限定しない身柄拘留)するよう申請したと24日付伯字各紙が報じた。
7人には、危険を知りながら必要な措置を講じなかった事による業務上過失致死、洪水、飲用水汚染の容疑がかけられている。事故の犠牲者は確認されているだけで17人、行方不明者2人も生存が絶望視されていることから、業務上過失致死での起訴が成立すれば、求刑は19倍になる。
取調責任者であるロドリゴ・ブスタマンテ警部は、今回の逮捕請求は被害者感情と民意に配慮したものだとした。司法当局は23日夜の時点で反応を示していない。
同警部によれば、S社の親会社であるヴァーレ社、BHP社も別の調査委員会で調査中の環境犯罪で告発される可能性があるという。
市警の鑑識官のオターヴィオ・ゲーラ氏は、フンドンダム決壊の原因は、鉱滓と共に流入した水が多くなり過ぎてダムの強度が落ちたためとしている。08年以来に操業を開始して以来、フンドンダムは排水の問題を常に抱えていた。オターヴィオ氏が23日に発表したデータによると、14年4月のダムの排水量は1時間あたり29万3千リットルだった。しかし、ダムの容量を増やすために何度も拡張工事を行ったため、事故直前の15年9月から10月にかけての排水量は25万1970リットル/時に落ちていた。「ダムの容量は増えているのに、排水量は減っていた。ダムの中の水は増えるばかりだった」と語る。
ダム決壊の理由として性急なダムの拡張、ダム監視体制の不備も指摘されており、緊急事態発生時の行動指針も守られていなかった。
S社側は「(逮捕請求は)警察権力によって行使された自由の制限であり、間違った行為」だとの声明を発表し、司法の判断を待って、適切な措置をとると語った。
ヴァーレ社、BHP社は独自の調査を行っており、その結果が出るまでは、事故の原因についての推論を避けるとした。
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