【共同】厚生労働省と川崎市は25日、ブラジルに滞在し帰国した川崎市の10代男性が「ジカ熱」に感染していることが確認されたと発表した。中南米での流行拡大以降、国内で感染者が確認されたのは初めて。過去には2013~14年、海外で感染し帰国後に発症した日本人が3人いる。
国立感染症研究所(東京)と地方衛生研究所の遺伝子検査で、ブラジルで流行しているウイルスの感染が判明した。男性は熱が下がり、現在は自宅で療養中。厚労省は記者会見で「(冬場の今は)蚊のシーズンではないので国内での感染拡大の恐れはない」と説明した。
政府は同日夜、関係省庁対策会議を開き、国と自治体、医療機関が一体となって予防や拡大防止に取り組む方針を確認した。
専門家によると、ジカ熱は主に蚊に刺されて感染し、発熱や発疹などを伴うが大半は軽症。
厚労省によると、男性は家族と観光目的で9日から20日までブラジルに滞在し、滞在中か帰国途上の20日に発熱、22日に帰国したという。20日に38度弱の発熱があったが、帰国時の検疫所でのサーモグラフィーでは検知されず、水際対策が奏功しなかった。
流行地域のブラジルでは胎児や新生児の頭が小さくなり知的障害を伴うこともある小頭症が急増しており、妊娠中の感染との関連が疑われている。世界保健機関(WHO)は2月1日、公衆衛生上の緊急事態を宣言した。
リオデジャネイロでは8月に五輪が開催され、多くの関係者が訪れるため、現地での感染が懸念されている。
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