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ジカ熱=小頭症と胎児水腫を併発=無自覚感染の妊婦が死産

 ブラジルと米国の研究者達が、25日発行の専門誌に、サルバドール市で死産となった胎児はジカ熱に感染し、小頭症と胎児水腫を併発していたと発表したと26日付伯字紙が報じた。
 昨年11月にジカ熱感染と小頭症児の増加の関係が報じられて以来、虫除けや殺虫剤の販売が急増、保健省も生活扶助を受けている妊婦に虫除けを無料配布するなどの方策を採っている。今回、無自覚だった妊婦の胎児が複数の病気を抱えていた事は、ジカ熱の問題は小頭症だけではない事を改めて浮き彫りにした。
 ブラジルのマノエス・サルノ医師と、イエール、テキサスの両大学の研究者が報告したのは、妊娠4週目にエイズや肝炎、トキソプラズマなどの病気には感染していない事を確認した20歳の妊婦の例で、14週目までは全てが至極順調だった。
 だが、18週目の超音波検査で体重が平均を大きく下回る事が判明。26週目と30週目の検査では、小頭症と共に、頭部に水が溜まり、脳が消滅している事が確認された。32週で死産となった胎児の体重は930グラムで、先天性多発性関節拘縮症で腕が変形。皮下浮腫や心嚢水、胸水、腹水などを起こす胎児水腫も起こしていた。
 サルノ医師は、今回の例だけで全ての症状をジカ熱に直結させる事は出来ないとしつつ、「ジカ熱に感染しても無自覚」という例に注意を促した。
 一方、2人の小頭症児の胚からジカウイルスを検出し、ジカ熱と小頭症の関係を最初に指摘したアドリアナ・メロ医師も25日、水腫のため、頭囲が正常だから小頭症と見なされないが、実際には脳の損傷が起こり、正常に発育出来ない例がある事を指摘。全ての妊婦が妊娠中にきちんと検査を受け、胎児の異常を早めに発見する事が必要だと強調した。専門家は、小頭症の診断は断層写真も用いて入念に行う事なども勧めている。