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グローボ局=アカデミー賞中継に不満殺到=大御所女優のコメント下手に

グロリア・ピーレス(左)(Everton Amaro/Sesi SP)

グロリア・ピーレス(左)(Everton Amaro/Sesi SP)

 2月28日はアメリカの映画の権威、アカデミー賞(ブラジル名はプレミオ・オスカー)の授賞式の日だったが、この日の生中継のゲストとして招かれたブラジルの人気女優のコメントの数々が視聴者の気に入らず、その夜のブラジルのネットの話題を独占した。
 日本ではアカデミー賞といっても、賞争いをする作品の大半は授賞式の前には公開されず、生中継はあっても衛星波のみだ。だが、ブラジルでは授賞式までには少なくともオスカーのノミネート作品は全て映画館で公開される上、授賞式の中継も最大局のグローボ局とケーブルの局の両方で行われるため、注目度も非常に高い。
 グローボ局の場合、会場となるドルビー・シアターには、レポーターと共に有名な俳優がコメンテーターとして帯同することになっているが、今年はその役をグロリア・ピーレス(52)がつとめた。子役の時代から、映画、テレビドラマ共に数10年に渡って主役をつとめ続ける国内トップクラスの女優だ。
 だが、そのグロリア、演技の才能はあっても作品を評することには不慣れなためか、レオナルド・ディカプリオが主演男優賞を受賞し、この夜最大の話題となった映画「レヴェナント」のポルトガル語の題名「オ・レグレッソ(蘇生)」を「オ・レトルノ(帰還)」と言い間違えるなどのミスもあった。
 その後は、いろんな賞で受賞が決まり、コメントを求められても、口数は非常に少なく、手短に「ジュスト(正しいと思うわ)」「バッカーナ(まあ、素敵)」「ボンス(いいわね)」と言うだけで、具体的な作品の中身や、それに対する自身の感想を述べることはほとんどなかった。
 さらに長編アニメ部門を受賞した「インサイド・ヘッド」に対しては「見てないの」、歌のパフォーマンスを披露したレディ・ガガへの感想を求められても「よく、わからない」と語った。
 するとその夜、不満を覚えた視聴者から、グロリアに対する大量のいたずら画像が作られた。それらには、この夜、彼女が発した限られたコメントの数々が、テレビに一瞬映し出され、退屈そうな表情になった際の彼女のオンエアの際の画像と共に、皮肉交じりに書き込まれていた。
 この事態にグロリアはあわてて反応し、自身のフェイスブックにファンへの挨拶として動画を掲載した。そこで彼女は「対象作品はほとんど見ていったけど、全部は見られなかったのよ」などの弁解を行っていた。
 なお、このグローボのオスカー中継は、2年前までブラジルきっての名優、ジョゼ・ビルケルが毎年出演し、コメントへの評判も良かったが、2014年4月に彼が急死してからは後継者がいない状態が続いていた。(28日付Vejaサンパウロ電子版などより)