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違っているから素晴らしい

 紙面の仕事を終え、同僚と話していたら「多様性」という言葉が出てきた。あらゆる生物や組織には多様性があり、それを認める事はよりよく生きる事にも繋がる▼ブラジルのように国土が広く、その国民も人種や国籍などに違いがあると、植物や動物などの生態系の多様性と共に、文化や気質、考え方などの多様性にも直面する。残念ながら、人間は「周りのものは全て自分達のために存在している」と考えやすく、自分に役立たないものや自分の考えにそぐわないものを切り捨てる事さえある▼だが、生物多様性条約なるものが作られた時、その原案に「人類が他の生物と共に地球を分け合っていることを認め、それらの生物が人類に対する利益とは関係なく存在していることを受け入れる」という一文があったという。結局この部分は削除されたが、ここに書かれた原則は日頃接する人や組織の中でも生きている▼ある企業サイトに、組織での多様性について「様々な違いを尊重して受け入れ、『違い』を積極的に活かすことにより、変化し続けるビジネス環境や多様化する顧客ニーズに最も効果的に対応し、企業の優位性を創り上げること」と書かれていた。そういう意味では、人が2人いれば既に多様性が生まれる▼相手の持つ経験や価値観、性格、能力は自分と違っていて当たり前で、その事を認めないとストレスが溜まる。また、多様性を認めているか否かで、何かあった時、柔軟に対応できるかどうかも違ってくる。全員の多様性をフルに活かせる組織やトップを見つけるのは難しい。だが、違いに直面した時、「違っているから素晴らしい」と思えたら、新しい世界が広がり始めるだろう。(み)