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小頭症と確認641人に=セルジッペで追跡研究開始

 【既報関連】保健省が1日、小頭症と確認された新生児の数が583人から641人に10%、ジカ熱との関係が確認された例も62人が82人にと32%増えた事と、今後は世界保健機構(WHO)の基準に従い、女児は頭囲31・5センチ以下、男児は同31・9センチ以下を小頭症と診断する事を発表したと2日付伯字紙が報じた。
 ジカ熱と小頭症との関係が言われ始めた昨年10月以降、小頭症が疑われる事例は5909件報告されており、641件が小頭症と診断された。小頭症ではないと診断されたのは1046人で、4222件は調査中だ。
 小頭症が疑われる子供の81%は北東伯に集中しており、ジカ熱感染による小頭症や中枢神経の障害が原因とされる死者は139人に上った。
 小頭症が疑われる事例最多はペルナンブコ州の1672人で、同州では検査中などの理由で母親の許に戻されていない子供が100人近くいる。
 また、経済的な理由や距離が遠いなどの理由で専門の医療機関で治療を受けられない小頭症児も多く、親戚や児童相談所に子供を託す(手放す)例も増えている。
 他方、2月28日付エスタード紙によると、人口220万人の小州だが小頭症と診断された子供が192人いるセルジッペ州では、サンパウロ総合大学生物医学研究所やブタンタン研究所関係者も加わり、ジカ熱だけが小頭症を引き起こす原因か否かを調査中だ。
 同州では、小頭症児からのジカウイルス検出や母親のジカ熱感染が確認されていないという。
 調査員達はジカ熱やデング熱感染が疑われる妊婦らから血液や唾液、尿を採取して感染の有無とどのウイルスに感染したかを確認する一方、ジカ熱やデング熱を媒介するネッタイシマカやそれ以外の蚊を見つけたら採取して研究所に送付する事で、ネッタイシマカのみが媒介するのか、その他の病気への感染や重複感染が小頭症を引き起こす可能性があるかを確認しようとしている。