ラヴァ・ジャット作戦で逮捕された建設大手アンドラーデ・グティエレス(AG)上層部の被告たちが連邦警察への報奨付供述で、2010年の大統領選挙の際、ジウマ大統領(労働者党・PT)に650万レアルの贈賄を行っていたことを暴露したと、2日付伯字紙が報じている。
AGは、逮捕された11人の被告が全員、報奨付供述に応じることを決めたが、今回暴露された内容は前社長のオタヴィオ・アゼヴェード被告の証言が元になっている。
それによると、AG社はジウマ氏が最初に臨んだ2010年の大統領選の際、PTのキャンペーンを請け負っていたペッパー社と虚偽の契約書を交わし、総額650万レアルを支払ったという。エスタード紙によると、同社への支払いは同年1月から12月にかけて計16回行われた。フォーリャ紙によると、これらの支払いは、元財務相で選挙キャンペーンのコーディネーター、ジウマ政権で最初の官房長官もつとめたアントニオ・パロッシ氏の指揮の下で行われたという。
選挙高等裁判所(TSE)に対する申告によれば、AG社は、この違法送金以外に、510万レアルの合法献金を行っている。また、PTはペッパーに640万レアルを支払ったとTSEに申告している。
AG社被告は支払を行うためにペッパーと架空の事業契約まで交わしたというが、ペッパーはAG社から請け負った仕事は契約通りに行ったと釈明している。
ペッパーは現在、連邦警察が行っている別の捜査「アクロニモ作戦」でも、2014年のミナス・ジェライス州知事選挙に出馬したフェルナンド・ピメンテル現知事のキャンペーンでの不正関与が疑われている。
なお、ジウマ大統領がこの件でTSEから選挙法違反を問われ、大統領の座から追われるようなことはない。それは、2010年の選挙後にはじまった任期は14年に既に終わっているためだ。最高裁のテオリ・ザヴァスキ判事によると、ジウマ大統領がこの件で罪に問われることはありえるが、それは大統領としての職務を終えて以降の話になるという。
また、エスタード紙によると、AG社被告の報奨付供述の中で、10年選挙の大事な局面で、ジウマ氏が有利な展開に見えさせるよう、同社が調査会社に贈賄を行った可能性を示唆する発言も出ていたようだ。
また、AG社の被告11人が報奨付供述に応じはじめたことで、同社と共同で事業を請け負ったりしていた他の企業、とりわけ、ルーラ前大統領との間の別荘疑惑などの渦中にあるオデブレヒト社に影響を与えないかが注目視されている。
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