3日にブラジル地理統計院(IBGE)が発表したデータによると、15年のブラジルの国内総生産(GDP)は、前年比3・8%減の5兆9千億レアルだったと、同日付伯字サイトが報じた。
GDPが3・8%のマイナス成長というのは、IBGEが現行基準で統計をとり始めた1996年以降で最悪だ。それ以前では90年に4・3%のマイナス成長を記録している。
部門別に見た場合、GDPが増大したのは農牧畜業部門だけで、上昇幅は1・8%だった。上昇の要因は大豆とトウモロコシの生産増だった。
工業部門は、建設業界がインフラ、一般家屋の双方で落ち込み、マイナス8%を記録したことなどに引きずられ、マイナス6・2%を記録した。
製造業もまた、自動車や機械及び電子機器の販売減少の影響で、マイナス9・7%となった。
ただし、石油生産、天然ガス、鉄鉱石の採掘などの鉱業部門は好調で、工業部門全体の減少幅を抑えるのに寄与した。
商業部門が8・9%減となった影響を受け、これまで常にGDPの牽引役だったサービス部門も、96年以降最低のマイナス2・7%だった。
GDPの低下は、投資減少の影響も受けた。生産活動のための固定資産は14・1%減少した。これは主に、国内生産の落ち込みと資本財の輸入の減少に起因している。
長年にわたり経済成長を引っ張ってきた一般家庭消費は、14年の1・3%増からマイナス4%に転じた。IBGEは、この結果は「15年全体を通じてのインフレ、金利、融資、雇用・所得などの各指標の悪化」から来ているとした。
15年は、ドル高レアル安のため、輸出が増加し、輸入が減少した。輸出はコモディティ製品、原油、鉄鉱石が好調だったため、6・1%伸びたが、輸入は機械設備や自動車部門の不振などの影響を受け、14・3%減となった。
15年第4四半期のGDPは、前年同期比5・9%減で、96年以来最悪の結果を示した。ブラジルの経済はラ米諸国の中ではベネズエラに次ぐ悪い結果で、Brics諸国の中では最悪の結果となる可能性も濃厚だ。
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