連邦最高裁が7日、下院でのジウマ大統領(労働者党・PT)罷免審議の特別委員会のシャッパや罷免審理の手順に関して、昨年12月17日に行った審理の議事録を公開し始め、8日付官報に掲載した。判決内容に対する不服申し立ては、今日9日から5日間の期限で受け付ける。3日に漏れたデウシジオ・アマラル上議の供述内容や、4日に行われたルーラ前大統領に対するラヴァ・ジャット(LJ)での事情聴取をジウマ氏罷免への勢いに変えるべく、野党側の対応が注目されるところだ。8日付伯字紙が報じている。
昨年12月の最高裁は、下院が無記名投票で選んだ大統領罷免に関する特別委員会のシャッパを無効とした上、下院が罷免手続き続行を決めた場合も、上院での審理継続は上院の判断に任せられることなどを決めた。
無効となった特別委員会のシャッパは、民主運動党(PMDB)下議らが、同党下院リーダーのレオナルド・ピッシアーニ氏が選んだ特別委員会の候補者は大統領擁護派が主流だったことを不服とし、野党と共に、罷免賛同派主流のシャッパを提出し、無記名投票で承認したものだ。
同判決後、大統領罷免への勢いがかなり殺がれたと見たエドゥアルド・クーニャ下院議長(PMDB)は、議事録公開を待たず、2月1日に最高裁に不服を申し立て、質問状を提出した。
野党リーダーたちは7日、不服審理を迅速に行うよう最高裁に圧力をかけることを決めた。1日も早い特別委員会設置は今年になって起きた事柄も罷免要請の一因とするためだが、最高裁審理は15日前後かかるため、委員会設置は早くて4月、下院での罷免投票は5月と見られている。
野党側は、2月23日のPT選挙参謀のジョアン・サンターナ容疑者逮捕や、デウシジオ上議による「ルーラ、ジウマ両氏がLJの捜査妨害を試みた」との証言、ルーラ氏の事情聴取といった、現政権やPTを揺るがす事件も罷免に結び付ける意向だ。14年大統領選でジウマ氏と争った民主運動党のアエシオ・ネーヴェス氏は、13日に行われる全国的な反政府デモを罷免運動に繋げたいと発言している。
野党側がデウシジオ氏の供述にある、ジウマ氏によるLJ妨害疑惑を罷免の理由に加えようとしているのは、現在の罷免理由である15年の連邦政府の粉飾会計疑惑分は現政権が昨年末に完済したため、根拠として弱くなったためだ。下院の野党は現在、罷免手続きの第1歩である特別委員会開設までは審議に応じない構えを見せている。
13日のデモは、クーニャ議長がLJで被告となることが決まってから初めてのもので、どの位盛り上がるかが注目されている。クーニャ議長が昨年12月に大統領罷免審議を進める意向を示した後のデモは、同議長への反発も手伝い、以前ほど盛り上がらなかった。
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