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村上水軍、西郷隆盛テーマに=広島歴史講演会に30人

講演中の松村さんと家系図の説明をする村上さん(左から)

講演中の松村さんと家系図の説明をする村上さん(左から)

 広島文化センター(平崎靖之会長)による、日本の偉人や歴史にスポットを当てた講演会の第二弾が5日、同センターで行われ、約30人が参加した。今回は鹿児島県人会長の松村滋樹さんが西郷隆盛について、同センター副会長で戦国時代の瀬戸内海で威勢を誇った村上水軍の末裔である村上佳和さんが村上水軍をテーマに語った。
 「西郷隆盛に関する資料30冊以上を4カ月かけてまとめてきた」という松村さんは、初の講演活動ということもあり、緊張した様子で登場。西郷隆盛の墓の写真などをスライドショーで紹介しながら、西郷の逸話、当時の薩摩藩の教育制度などを説明した。西南戦争の解説の際には、「雪のなか江戸へ向かう軍の姿を曽祖父が目撃している」と同郷人ならではの話を披露した。
 続いて登壇した村上さんは、「村上水軍は略奪行為で得る収入よりも、貿易や航行警護料、海上関所の通行料などを重要視しており、海賊とは異なる存在」と経済活動の様子からその実態を説明。陶晴賢、織田信長との合戦の様子や、豊臣秀吉による海賊禁止令で村上水軍が消滅したことなどを解説した。
 実物資料として南北朝時代の公卿・北畠親房から現20代目村上家当主までの血統が記された家系図や村上家が用いた旗印、出陣杯の複製品などを披露すると会場からは感心の声があがった。
 講演後には歓談の場が設けられ、ブラジル旅行の途中に参加した神戸在住の西村隆尚さん(79、広島)は、「歴史上の人物の子孫の話ということでとても興味深かった。日本でも聞けないことが多く面白かった」と講演に満足したよう様子だった。
 同会を主催する広島文化センターの平崎会長は「日本の歴史に誇りを持つ日系人は沢山いる。講演会を通じてその輪を広げたい」と話し、次回開催の意欲を示した。