【既報関連】サンパウロ市中央部のルス駅上部に開設され、昨年12月21日に火災に見舞われ、屋根が焼け落ちるなどの被害が出たポルトガル語博物館が、火災からおよそ2カ月半が過ぎて、やっと修復工事開始のめどがついたと、9日付エスタード紙が報じた。
サンパウロ州文化局によると、第一段階の工事の目的は、本格的な修復工事のために必要な基本的な建築構造を造成する事だ。第一段階では、露出したコンクリートへの防水加工と排水システムの設置のほか、雨水の浸入を防止するための仮の屋根が設けられる。
火災直後の15年末から、現場周囲では瓦礫の撤去作業、清掃作業が行われており、やっと今回の作業開始となった。
火災以来、ルス駅の入場口はカスペル・リベロ街口と、絵画館前口のみに制限されているが、10週間を見込まれている工事期間中には、現在は閉鎖されているメインの入り口の開放も見込まれている。
第一段階の工費は180万レアルの予算で、博物館が加入していた保険で賄われる。ルス駅は三つの歴史遺産保護機関(歴史芸術遺産研究所、サンパウロ州歴史・考古学・芸術・観光遺産保護協議会、サンパウロ市歴史文化環境遺産保護協議会)が管轄しており、その全ての機関が工事を承認した。
同博物館は06年に開館、昨年末までに400万人が入場した。再オープンまでにはまだ時間がかかるが、その間も巡回展示などで資料の活用を図る。サンパウロ州内陸部のアララクアラ市では現在、今月4日~4月2日の日程で巡回展示を開催中だ。