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先週金曜の強制聴取の後、ルーラ前大統領が8日にブラジリアで言ったとされる迷言

4日晩、強制聴取後にPT党本部で仲間に囲まれたカリスマ、ルーラ(Foto: Ricardo Stuckert/ Instituto Lula ,04/03/2016)

4日晩、強制聴取後にPT党本部で仲間に囲まれたカリスマ、ルーラ(Foto: Ricardo Stuckert/ Instituto Lula ,04/03/2016)

今日のお言葉
 
“A partir de agora, se me prenderem, eu viro heroi. Se me matarem, viro martir. E, se me deixarem solto, viro presidente de novo”

「今から、もし私が逮捕されれば英雄に、もし殺されれば殉教者、もし逮捕されなければ再び大統領になる」

 先週、司法・警察の強制取調べを受け、ルーラさんは早速今週ブラジリアに飛び、大統領、PT党幹部、与党PMDB幹部、上院議員との会合など精力的に動きました。その時に、この迷言を残したそうです。
 この動きの中で、なんと「ルーラを大臣にしたら」という話が出ました。外務大臣、中には財務大臣との噂まで…。今の経済政策を変えて、景気を良くし、国民の支持を取り付けては―と云うのまであります。
 ところが裏で言われているのは「大臣になれば簡単に逮捕、召喚できない。厳正なるモーロ判事がいるクリチーバ連邦地方裁判所の管轄から離れて、最高裁判所の扱いとなるから」というブラジル的計算もあるとか。
 最高裁判所の殆どの裁判官はジウマ大統領時代に選任されており、情実はないといっても、どこか〝気持ちが通じる〟ということはありうる。さすがは大物の政治家、〝素晴らしい案〟を考え出すものですね。
 ところでそのルーラさん、昔、野に居た時代に反対党政府を批判してこんな発言をしています。
 「ブラジルでは貧乏人が物を盗めばカデイア行きだ。金持ちは物を盗めば大臣になる」です。
 さて、今はどっち?
 所で現政権を支えているPMDB党の動きです。水曜日朝はルーラ等PT、政府側と仲良くカフェーを摂り、一緒に議会内を訪問して歩きました。そこまでは良いのですが、夕食は打倒PTの野党PSDB幹部と夕食の予定です。
 いつでも勝ち馬に賭けるPMDBの面目躍如ですね。(寄稿・蒲原ひろし)