地理統計院(IBGE)が15日、全国家庭サンプル調査に基づく15年の平均失業率は8・5%で、統計開始以来、最悪だったと発表したと同日付各紙サイトが報じた。過去の年間平均失業率は、12年7・4%、13年4・1%、14年6・8%だった。
失業率増加は、収支バランスが崩れ、経済の先行きに不安を感じる企業が増えた事や、労働市場の構造的変化、消費者の購買力低下とそれに伴う求職者増などを反映したもので、失業者の増加は雇用の質低下も招く。
四半期毎に見ると、昨年第4四半期の失業率は9%で、前年同期の6・5%を大幅に上回った。第4四半期の統計は3464市、21万1千世帯で調査した結果で、第3四半期の8・9%より微増。四半期としては統計史上最悪だった。
第3、第4四半期の失業率が年間平均を上回る8・9%と9%だったという事は、歳末商戦やそれに向けた増産などで雇用が増えるはずの時期も雇用が落ち込み続けた事を意味する。IBGEによれば、第4四半期の失業者総数は910万人に達し、前年同期比で40・8%(260万人)増えた。第4四半期の就労者総数は9230万人で前年同期比0・6%減だが、正規雇用者は3540万人で前年同期より3%減った。平均所得は1913・0レアルで、第3四半期比1・1%減、前年同期比では2%減った。
第4四半期の就業者の72・1%は民間企業、18%は公的機関で働いており、家庭内労働者は9・9%だった。民間企業就労者の77・9%、家庭内労働者の33・3%は正規雇用者だ。
失業者の増加は家計を更に圧迫し、購買力低下を補うために職を探し始める主婦や家庭内労働者の増加を招く。家庭内労働者は前期比4・2%、前年同期比4・8%増えたが、平均所得は低下している。女性の失業者数は常に男性より多い。