ビリェッテ・ウニコの料金チャージ所やチャージ機が駅構内から姿を消して3カ月、サンパウロ市の地下鉄利用客は紙製の切符を買うための長い行列やつり銭不足で不便を強いられているが、メトロ側は売り上げが増えていると16日付フォーリャ紙が報じた。
同紙の調べでは、15年12月の紙の切符の売り上げは、過去2年の月別の売り上げを大きく上回った。12月はチャージ所の運営を担当していたヘッジ・ポント・セルト(RPC)社が運営を取りやめた月だ。
地下鉄利用客は、技術の進歩に逆行する形で、紙の切符を買う列に押しやられた。
この異常事態が始まった12月は1050万枚もの切符が売られ、3660万レアルの利益を地下鉄公社にもたらした。3360万レアルの数字は、同年11月比16・5%、14年12月比で12%の上昇だった。
この傾向は地下鉄運賃が3・50レから3・80レに上がった年明けも変わらず、2月には、昨年の2月より15%も多く切符が買われた。紙の切符売り上げ増はそれまでの減少傾向に逆行している。14年の売り上げは前年比5%減だった。
切符の利用が増えることで、利用者は毎回3・80レを払う事になり、地下鉄公社の懐は結果的に潤う事となった。
「ビリェッテ・ウニコなら、早朝料金やバスとの乗り継ぎ割引などの割引措置があった。チャージ担当会社への手数料も払わなくてよくなった」と地下鉄公社のジョゼ・カルロス財務部長は語る。
地下鉄公社はRPC社による契約解除に驚いているとし、次の契約先を決める入札が行われる予定だとしている。