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サンパウロ=閑静な住宅街にとどろく爆発音=アメリカ総領事館で対テロ訓練

 16日の朝、サンパウロ市南部シャカラ・サント・アントニオ区のアメリカ総領事館で、映画のセットを思わせる仕掛けまで使ったテロ対策訓練が行われた。
 この凝ったテロ対策訓練では爆発、人質、収監といった場面設定がなされ、近隣住民や通行人らは、通常とは異なる行動を余儀なくされた。
 訓練には軍警、消防、市警、連邦警察や医療スタッフが参加した。銃を構えた狙撃手が路上に配置され、訓練の事を知らずに通りがかり、武装した男たちに直面したドライバーが、恐怖のあまり、すぐに引き返す場面も見られた。
 総領事館に続くトマス・デロニー街、サンセバスチャン街、ベラビスタ街、エンリ・デュナン街は、午前8時半から車両と歩行者の通行が閉鎖され、ビザの発行も中止された。
 訓練は総領事館前に停まっていた車に仕掛けられていた爆弾が爆発したという想定で始まった。爆弾の破片は飛び散り、車両も炎上したが、消防士にがすぐに消火。一方で、特殊作戦グループ(GOE)の市警の男性は、容疑者を逮捕した。
 続いて、提出書類の不足のためにビザ発給を拒否された男が武装して総領事館に侵入し、2人の人質をとったという場面に移った。人質の1人は殺され、もう1人の女性は1時間以上銃を突きつけられた状態に置かれたため、特殊戦術部隊(Gate)が出動し、交渉人が、現実そのものの緊張感をもって、被害者を解放するための犯人説得を試みた。最終的には、特殊部隊が総領事館内に侵略して、人質を解放するという想定だ。
 エジソン・ジョルジ・アイダール警部は、これは警察が定期的に行うトレーニングの一つだが、質を向上させることが重要だと述べた。
 シャカラ・サント・アントニオ区で働くリカルド・サンチネッチさん(41)は、訓練を見学するために、仕事の時間に職場を離れた。「いつ来るかも分からない、しかし備えが絶対に必要な攻撃への対処としての訓練はとても興味深い」と語った。
 駐車場オーナーのアントニオ・カルロス・デ・アレンカルさん(56)は、テロ対策訓練を見たのは初めてだと言う。同氏は友人に見せるために写真やビデオを撮った。「とても楽しかった、本当のテロ攻撃じゃないと分かっていたけれど、エキサイティングだった。全てとても近くで見られて、レポーターみたいだった」と笑う。
 現場周辺で飲食店を営むクラウジアーナ・カルヴァーリョさん(28)は、訓練のせいで売り上げが落ちた事に不満を漏らし、「通行止めにするのは車だけでよかったはず、歩行者まで止める事はなかった」と嘆いた。(16日付G1サイトより)