「世界水の日」の22日、伯字紙や各紙サイトが様々な形で水に関する報道を行った。
G1サイトは、非政府系団体「SOSマッタ・アトランチコ」が11州298カ所で行った、183の川や湖、水路の水質検査の結果を報じた。15年3月~今年2月の検査では、飲用や水泳、つり、野菜栽培などに安心して使える良質の水は4・5%で、普通が59・2%。多目的の使用に適さない悪い・最悪は36・3%あった。良いの割合は14/15年と同じだが、普通は減り、悪いが増えた。
深刻な水不足に見舞われ、水源地に近い地点の占拠も進んだサンパウロ市では、良いとされていた2カ所が共に普通になり、悪い/最悪が48・2%から57・2%に増えた。サンパウロ州では、前年に魚の大量死などが起きたチエテ川中流で水質改善と魚の復帰が確認されたが、州全域は良いが6・1%、普通が52・4%。悪いが41・5%だった。
大西洋森林地帯に属すチジュッカの森などで保護活動が行われているリオ州は、良いはゼロだったが、普通は73・3%と高い。リオ市内15カ所での検査では、14/15年は66・7%あった悪いが40%に減少。普通は33・3%から60%に増えた。
エスタード紙もSOSの調査に触れ、14/15年の水不足と今年の洪水などを比べた上、水系間を繋ぐ工事以外にも、水源地や川、湖の周辺への植樹、水の再利用、危険地域からの転居などをとの提言を掲載した。
フォーリャ紙は、浄水の37%は消費者に届かない事、州別の損失率は連邦直轄区の27%からアマパー州の78%まで格差がある事、水の損失率は33年も31%程度で、改善に時間がかかる事などを報じている。
ユネスコは、良質の水が安定した状態で供給されなくなると、78%の雇用が圧迫されたり消失したりすると指摘。水確保のための争いは今後、ますます激しさを増すとの警告も発している。